「……私と、兄さん、分かっているとは思うんですけど、血が繋がってないんです」


 ……ええ、分かっているわ。


 「でも、兄弟で……。
 ……勝手には言えないんで。……ほんと、変な感じなんですけどね……」


 ……まあ、雅哉さんの許可が必要でしょうね。そういうのは。それに、王家や関係のある方の許可も……。


 「……」

 「……とりあえず、お部屋に戻りますか?」

 「ええ」


 あなたたち……ほんと、歪な関係ね……。
 私には、何もわからない。あなたたちはわからせてくれない。
 でも、これだけは言える。2人は固い絆で結ばれている、と。そして、私も関わりがある、と。
 ……まあ、直感だけど。でも、そう思うのよ。なぜかはわからないけれどね。


 「川上様とは何を話していたのです?」

 「普通に話していたけれど……?」


 どうしたの?


 「それなら、良かったです。何かされてたりしないか心配でしたので……」

 「川上さんが私に何かしたことは無いわよ?」