「違う……! 兄さんが───」

 「───兄さんと呼ぶのはやめなさい。妃彩に、弟だと思われるだろう?」


 え? やっぱり兄弟では無いのね……?

 でも……晃は、なんで、といった顔をしているわよ……?


 「……雅哉様?」

 「様は要らないかな。あ、でも晃には二人の執事になってほしいんだよね〜」


 え、あ、そうなの?


 「嫌ですね。お断りします。俺は妃彩様だけの執事なので」


 っ、え?


 「……ふーん……」


 私、だけ?

 ……愛の告白、みたい。な訳無いことはわかってるけど……!! そう思っちゃっただけだから……! 自意識過剰なのはわかってるから……っ!


 「晃……本当に妃彩を護れる?」

 「はい」

 「……これ、あげる」


 ……ネリ、ネ?


 「俺が好きな花の一つ、かな。……晃、様はどっちでもいいからね」

 「……兄さん」

 「だから、兄さんはやめろって……」


 ふふ。なんだか……とても仲の良い二人ね。いい、なあ。私も妃海と……なんて、もう無理だろうけどね。


 「また会う日を楽しみに待っているよ、妃彩、晃」