……談話室に着く。


 「……お話、というのは……」


 ……。


 「……雅也様がもうすぐ来られます。ご相手を。……本田をおいていくように」


 ……え? 雅也様が来るの? ……いや、なんて言った? 晃をおいていけ?


 「なぜ?」

 「彼は……雅也様に会わせてはなりません」


 ……?


 「彼の過去、と関係があられる方が……雅也様なんです。
 ……これ以外は……流石に。口外してはならないないもので」

 「え、ええ……。教えてくれてありがとう」

 ……なぜ、教えてくれたのかしら……?


 「……変なことを思わないように。私はまだ、あなたがた“脅威”を認めません」


 ……脅威、ねえ……。確かに、そう言われてたわ。だって、魔法が使えなくて、転生者の私……そんなの、魔女しかないでしょう?
 かつて世界を滅ぼす寸前まで行った魔女……。その転生した姿が私……そう言われてるけど。私もわからないんだから、正解は誰にもわからないはずよ。……私が魔女……なんて、考えたくもないし。


 「では、本田は待機するよう言ってくださいまし」

 「……ええ、わかったわ」


 彼女のお願いするなら……まあ、いいでしょう。晃は、雅也様に会わせないわ。少なくとも、今日はね。
 だって、彼女がお願いしてくれたことなんて、これが初めてだし。……それだけ、脅威が、私が嫌なんでしょうね。