「あ、君のことで分かったことはあと一つあるかな。
 ──……転生者でしょ」


 っ……。核心につく、言葉。この世界で転生者なんて、いい意味か、悪い意味かと言われれば……悪い意味でしかない。
 かつて世界を滅ぼす寸前までいった者たちが、最期の悪足掻きで転生した。
 それが続いていき……俺となる。
 まあ、他にも数人、存在するはずだけど。


 「うん、その反応は正解だね」


 ……こいつ、怖え。さっきまでニコニコしていたのが嘘みたいだ。


 「妃彩様には……」

 「もちろん言わない」


 ……良かった。もし、言われたら……軽蔑では、済まない。


 「……ふふっ。妃彩ちゃんのこと好きなんだ」


 ……悪いかよ。惹かれないわけ、ないだろ。あんな、真っ直ぐで、光を纏った子。俺と似ているのに、全く似ていない子。


 「私は君が邪魔、しなきゃ好きでいてくれていいと思ってる。まあ、邪魔したら容赦ないけど」


 ……きっと魔法、強いのだろう。生粋の勝者って雰囲気が醸し出されている。
 信じられねえ。兄さんと妃彩様の婚約。奥様が情報屋。他にも色々……。信じたく、ねえな。


 「……これあげるわ。またね」

 渡されたのは……花、か?