「確かに駄目なところはあります。
 ですが、一生懸命頑張っています。その方を恥ずかしいなど、どうして思うのですか?
 知り合ってすぐの私が出しゃばり、申し訳ございません。ですが、これが思っている事です」


 努力の塊だ、妃彩様は。一体何を言っている? 恥? そんな訳あるか。お前の執事の方が一億倍恥だ。


 「……ふーん……。
 でもさ、ここではあんたの意思なんて関係ない。
 こいつは嫌われて当然。あたしは好かれて当然。分かった?」

 「……」

 そんなの、おかしいだろ。魔法が使えないだけで。魔法が使えるから、強いから……なんだよ。

 「なんでお父様があんたを選んだのか知らないけどさ……。あたしは認めてない。あんたも、妃彩も」

 「それで大丈夫です。私もお嬢様を認めていませんので」

 認めて……たまるかよ。

 「またね。あ……妃彩、後で部屋に一人で来なさい」

 「……は、い……」

 ……っ、あ。俺のせいで、妃彩様に迷惑が、行くかも……しれない……。