いっそ自殺でもしようかと悩んだ。でも、お母様が繋いでくれた命。私から消えることはできない。だから、お父様に消してほしかった。

 ……けど、椎名家に伝わるある事を守るために、私は消されない。それが何か、私にも分からないんだけどね。

 お父様はそれでも消そうとするんじゃ、って思うよね。でも、お父様は、お祖父様に私を消そうとしているのがバレ、叱られたくらい大切なこと……らしい。


 『妃彩来なさい。お前のせいで叱られたんだぞ……!!』


 あれは、怖かった。痣が大量にできたし、丁度発熱していた時だったから……。


 ……ある時、私の顔が変えられた。なぜなら、私と妃海は、恐ろしい事に歳を重ねる事にどんどん似ていったから。

 だから、お父様は、魔法で、顔を変えたそう。髪も切って、染めて……。私は、前の顔を見たことなんてない。鏡っていうのも使ったこと、ないし。


 『妃彩、似合ってるわよ。
 ……その、あたしとは違う顔。精々頑張りなさい……?』

 ……なんでだろう。この時、確かに妃海は優しかった。微笑んでた。

 まあ、でも、私と妃海は、そんなこんなで、今……かな。