それでも反対の声を押し切ってピクニックへ行ったの。

 そこで……警察に見つかった。
 警察は、魔法が使えない、なんて消す相手だから。もちろん、私も例外じゃなかった。でもね……お母様が、護ってくれたの。
 私も、妃海も、生きてた。でも、警察と応戦したお母様は……亡くなった。


 『逃げなさい。早く! ……妃海、妃彩をよろしくね』


 まだ、忘れられない、私の過ち。
 まあ、でも、みんなは産まれたのがもう過ちだ! って言うかもね……。

 お母様が亡くなったのをさかいに、私と妃海の間に亀裂が入った。それもそうね。妃海は、私のせいでお母様が亡くなるのを目視していたのだから……。
 そして、お父様と妃海がタッグを組み始めたのもこの頃。二人と使用人さん達で、私を消そうとしてきた。

 『あ、妃海。今日、Liliaがね──』

 『うるさい……。黙って』


 きっと、最初は、仲良かった私にそんな事言うのを躊躇したはずだ。だって、今ほどキレも強さもなかったから。

 『え……』

 私はそれだけで、全て拒否されたかのような気がして、辛かった。まあ、それは正解だったんだけど。
 お母様を失って、最後の砦の妃海も失えば……私には、何も残らないから、ね。