私も妃海も、私達が双子だって気付いてなかったんだよねぇ。普通に、顔や雰囲気、行動が似てるだけだと思ってた。

 『妃彩ちゃん、お花の冠つくろー?』

 『うんっ』

 庭に咲いていたシロツメクサとマリーゴールドで作った。なかなかに良い出来で、お母様に私達はプレゼントしに行ったんだよなぁ。

 私達が双子だって、知ったのは、六歳くらいのときかな。
 お父様が一年ぶりに帰ってきて、知った。お父様が、というか、お父様の専属執事の方が『あらあら、この正反対の双子様は……奥様、きちんと二人を引き離していたでしょうね?』そう、言ったから。最後は、意味がわからなかったけど、今ならわかる。
 ……お母様は、私と妃海を仲良くさせてくれたんだね。

 『妃彩が魔法使えなくても仲良しだもん!』

 あんなに優しくて可愛かった妃海は、一体どこへ行ってしまったのかしらね。

 いや、こうなってしまったのは、私が、お母様を殺してしまったから。