雨降り、雨降り、ランランラン。
今日は楽しい演奏会。
小学生達が歌いながら下校していくのを見送り、黄色い旗を振る。
「みんな、気ぃ付けて帰りや〜！」
「はーい！」
雨だというのに元気な高い声。
大人にとっては憂鬱な雨も、子供達は楽しく変えてしまう。
「茜、こんなとこにいたのか」
買い物袋を持った葵と遭遇する。今日は遅めの買い出しみたいだ。
「言ってくれれば買い出し行ったのに」
「いい。お前が行くと余計な物まで買ってくるからな」
「、、、、ちぇ」
「おい」
前回、買い出し頼まれた時におつまみ買ってきたの、やっぱりバレたよな。すぐに隠したけど、レシートをいちいち確認していたのか、、、、。さすが葵。

「ただいま」
「疲れた、、、、」
「あ、おかえり！」
今日は雨だからか客が少ない。
「手伝おうか？」
「茜は就職活動しろ」
「葵は俺に辛辣過ぎん！？」
「気のせいだと思うよ」
千鶴は冷静さを保っているが、笑いを隠せていない。
「え、つら」