薄暗い部屋の中、青白い光を放つ画面の数々。
カタカタとキーボードを叩く音が言葉の代用符。
耳に付けたイヤホンで情報を共有する。
「茜、葵。監視カメラをハッキングしたよ!でも、、、直接建物内に入るには特別なカードキーがいるらしいんだけど、、、」
『カードキーは見張りが持っているな』
 葵の声が聞こえた途端、重い物が倒れる音が聞こえてきた。
『これのこと?』
 息ひとつ切らさない平坦な声で茜が言った。端末に送ってもらうとカードキーだった。
「うん。それそれ〜」
 接近戦や実行するのは私じゃ出来ないなら、私は監視カメラなどをハッキングして二人を動きやすいようにするのが役目。
まぁ、つまり陰で支える天才ハッカーって訳!頑張ればFBIの初期段階まではハッキング出来る。それより奥は、、、需要がないし逆探知されたら元も子もないからね。
そもそもFBIにハッキングすることなんてあまりないし、、、。
 その後も、葵が銃で敵を殺したり茜が窓硝子を割ったりしているうちに代表取締役の人と対面していた。
『サクリファイスの死神コンビか、、、バレないように行動していたが、何故分かったんだ?』
代表取締役の人は意外にも冷静を保っている。
『僕らの仲間は優秀なんで』
 カチャ。セーフティーバーを下げる音。
『ちょ、葵待ちぃや!誘拐された子供達の居場所聞き出さなあかんと、、、殺すのはその後や!』
『、、、、、、』
「あ、子供達は全員外に逃がしたよ。今頃きっと警察に保護されてるよ〜!」
電子錠を解いて開けるなんて朝飯前なので。
『ほな、殺すわ』
 戦場に似合わないヘラヘラした声。
 それに焦りを覚える代表取締役。
『まさか、あの子供達を助けに来たなんて言わないですよね!殺し屋が正義のヒーロー気取りですか!?』
『悪いな。僕達はヒーロー程優しくない』
バンッという銃声音と共に、またひとつの命の灯火が消えた。