「大丈夫?!」

「何、急に……」


彼女が慌ててハンドタオルを差し出してくれた。

ありがたくそれを受け取り、むせながらTシャツの濡れた部分を拭く。

僕に好きな人がいるなんて聞いてどうするんだ?

そんなもの、面白くもなんともないだろ。


「急かもだけど、気になったから……」

「いないよ。そんな事聞いてどうするの」


まさか、恋バナをしようと思ってるわけじゃないよな?

申し訳ないけど、そんな盛り上がれるようなネタなんか一つもないけど……。


「そっか。じゃあ、立候補してもいい?」

「立候補?何に?」

「藤原君の好きな人に」


……は?