あれからLI◯Eをして集合は20時となった。僕の家は門限は22時なため安心して家を出ることができる。しかしそのことを親に話すととても驚かれた。
「夜に出かけるなんて...どうしたのよ。」
「門限を使う日が来るなんてな...」
失礼な親たちだと思った。当日の昼間はなんだか落ち着かなくて結局は家で大人しくすることにした。時間が近づくたびに鼓動が早くなっているような感じがして変な感じがした。
「何を着ていこうか...。」
そんなことをぼそっとつぶやいた自分にとても驚いた。今まで格好に気を使ったことがなかったのに。恋の力とはやはり偉大だ。と謎に感心しているときにふと気がついた。僕は他人と遊ぶときにふさわしい服を1着も持っていなかったのだ。これもボッチの宿命なのか何なのか。だが今から買いに行ったとしても間に合わなくなってしまう。僕は自分に失望した。結局自分の中で一番まともな服を選び集合場所へ向かった。ついてから10分ほど遅れ春香はやってきた。
「ごめん!もしかして待った?」
「少しね。」
「まじ!?ほんとにごめん!」
と必死に謝る彼女を見てなんだか申し訳なくなった。僕はもしかしたら人と関わるスキルもないのではないだろうか...そんなことを思い
「いや全然大丈夫だよ。」
と意味があるのかないのかわからない全力のフォローをする。すると
「ほんとに?それならよかったあ」
と安心したようにいつもの笑顔を春香は見せてくれた。やはり春香は笑顔でないと。彼女に不幸せは似合わない。そう思った。
「とこれでなんで今日は夜に集合なんだ?」
とずっと疑問に思っていたことを尋ねる。
「今日はね、花火をするの!!」
僕は理解ができなかった。僕なんかと花火をしたところで何も楽しくないと思うが...と言葉に出かけたがまた怒られてしまうと思い心の中にしまった。だが僕のもう一つの本当の気持ちはただただ嬉しかった。彼女が僕に向けて花火をしようと言ってくれたことが何よりも嬉しかった。気分が高まりすぎてほとんど何を話したか、何をしたか覚えていなかった。でもそんなことどうでもいいと言うようにぼくの記憶にあったのはただただ楽しいという感情だけだった。