暑すぎる。僕が目が覚めて最初に思ったこと。これだから夏は嫌いだ。暑い、それだけなのに僕のすべてを奪っていくみたいだから。のっそりと起き上がってリビングへ向かう。
「おはよう。」
と母にいつものように声をかける。
「おはよう。今日は遅かったのね。」
言われてみれば確かにいつもよりも1時間ほど起きるのが遅い。
『本日は記録的猛暑のため、外出は控えるように...』
ニュースの人が伝えている情報は僕のやる気やらをすべて奪っていく。
「暑さのせいかな。」
と適当に答え受け流す。最近このような会話をしたばかりのような気がする。そんなことを思いながら目の前に出された朝食をきれいに食べきったが正直なところ夏バテで胃が苦しい。
「ごちそうさま。」
「今日も出かけるの?」
「うーん...」
正直なところ迷っていた。ほぼ毎日行っている図書館はもうすでに勉強の大学生やらで埋まってしまっているだろう。だが外には出たかった。夏休み中だから今はいいものの学校が再開したときに痛い目を見そうだから。
「今日は違うところに行こうかな。」
「あら、お友達?」
痛いところをつかれてしまった。僕に友達はいない。いわゆるボッチってやつだ。
「まあそんなとこ。」
と軽い嘘をついて逃げるように部屋に駆け込む。ササッと着替えて家を出る。もはや僕の日課となっている。だが外に出た瞬間暑さが僕を襲った。文明の力クーラーに逃げたくなる気持ちを抑え、自転車を漕ぐ。やがて僕のおすすめ第二スポットの橋にたどり着いた。橋とは言え僕が過ごすのはいくらか涼しい橋の下なのでいつものようにくだっていくと
「げっ」
先客がいた。しかも僕の苦手な類の人の見た目をしている。思わずでた声に彼女は反応し、目をまんまるにした。
「あの、すいません。つい...」
と全く言い訳になっていない文章を発したあとなんと彼女は笑ったのだ。
「ごめんごめん!あまりに本音みたいなげって声が聞こえたからつい...」
どうやらバレていたらしい。一人であたふたしていると
「君、名前は?」
と聞かれた。多分今度は僕の目がまんまるになっていたと思う。そしてなぜか
「けい...瀬野蛍です...」
と正直に答えてしまった。
「私は春香!相田春香!よろしくね!」
眩しすぎる笑顔で言われた。よろしく...?よろしくってどうゆう...などと考えていると春香が
「ずっとそこ立ってないでこっち来なよ!」
とまた笑いながら言う。確かにここに立っているより...と大人しく橋の下の春香がいるところまで歩く。
「君はここいつから知ってたの?」
と急に質問されたが今度はなぜか焦ることなく
「去年の秋ごろかな。このあたりって紅葉が綺麗で落ち着くなーって思ったんだ」
と答えることができた。
「そっかー去年の秋かー私はね先週!先週この場所を見つけたの!」
と興奮した様子で僕に教えてくれる。でもすぐに暗い表情になって
「でもね...」
と話し始めた。
「でも私来月にはいなくなるの。」
出会ったばかりのはずなのに恐ろしいほどの絶望感に見舞われた。
「いなくなるってどうゆう...」
「よくある話。親の転勤なの。高校にいるうちはこっちにも戻ってこれないかもしれないしこれでも結構辛いんだー」
そんな気持ちだったとは。全く気づかなかった。
「ごめん。俺何も知らないで...」
「全然いいよー!むしろ初めて素直にこんな理由とか話したかも。」
照れたように笑う君に不覚にもドキッとしてしまった。いてもたってもいられずその場から逃げるように
「じゃあ、ぼくそろそろ行くね。」
というとまたあの輝いたような笑みで
「またね!」
と言われた。その日から僕はよく橋に通うようになった。
「おはよう。」
と母にいつものように声をかける。
「おはよう。今日は遅かったのね。」
言われてみれば確かにいつもよりも1時間ほど起きるのが遅い。
『本日は記録的猛暑のため、外出は控えるように...』
ニュースの人が伝えている情報は僕のやる気やらをすべて奪っていく。
「暑さのせいかな。」
と適当に答え受け流す。最近このような会話をしたばかりのような気がする。そんなことを思いながら目の前に出された朝食をきれいに食べきったが正直なところ夏バテで胃が苦しい。
「ごちそうさま。」
「今日も出かけるの?」
「うーん...」
正直なところ迷っていた。ほぼ毎日行っている図書館はもうすでに勉強の大学生やらで埋まってしまっているだろう。だが外には出たかった。夏休み中だから今はいいものの学校が再開したときに痛い目を見そうだから。
「今日は違うところに行こうかな。」
「あら、お友達?」
痛いところをつかれてしまった。僕に友達はいない。いわゆるボッチってやつだ。
「まあそんなとこ。」
と軽い嘘をついて逃げるように部屋に駆け込む。ササッと着替えて家を出る。もはや僕の日課となっている。だが外に出た瞬間暑さが僕を襲った。文明の力クーラーに逃げたくなる気持ちを抑え、自転車を漕ぐ。やがて僕のおすすめ第二スポットの橋にたどり着いた。橋とは言え僕が過ごすのはいくらか涼しい橋の下なのでいつものようにくだっていくと
「げっ」
先客がいた。しかも僕の苦手な類の人の見た目をしている。思わずでた声に彼女は反応し、目をまんまるにした。
「あの、すいません。つい...」
と全く言い訳になっていない文章を発したあとなんと彼女は笑ったのだ。
「ごめんごめん!あまりに本音みたいなげって声が聞こえたからつい...」
どうやらバレていたらしい。一人であたふたしていると
「君、名前は?」
と聞かれた。多分今度は僕の目がまんまるになっていたと思う。そしてなぜか
「けい...瀬野蛍です...」
と正直に答えてしまった。
「私は春香!相田春香!よろしくね!」
眩しすぎる笑顔で言われた。よろしく...?よろしくってどうゆう...などと考えていると春香が
「ずっとそこ立ってないでこっち来なよ!」
とまた笑いながら言う。確かにここに立っているより...と大人しく橋の下の春香がいるところまで歩く。
「君はここいつから知ってたの?」
と急に質問されたが今度はなぜか焦ることなく
「去年の秋ごろかな。このあたりって紅葉が綺麗で落ち着くなーって思ったんだ」
と答えることができた。
「そっかー去年の秋かー私はね先週!先週この場所を見つけたの!」
と興奮した様子で僕に教えてくれる。でもすぐに暗い表情になって
「でもね...」
と話し始めた。
「でも私来月にはいなくなるの。」
出会ったばかりのはずなのに恐ろしいほどの絶望感に見舞われた。
「いなくなるってどうゆう...」
「よくある話。親の転勤なの。高校にいるうちはこっちにも戻ってこれないかもしれないしこれでも結構辛いんだー」
そんな気持ちだったとは。全く気づかなかった。
「ごめん。俺何も知らないで...」
「全然いいよー!むしろ初めて素直にこんな理由とか話したかも。」
照れたように笑う君に不覚にもドキッとしてしまった。いてもたってもいられずその場から逃げるように
「じゃあ、ぼくそろそろ行くね。」
というとまたあの輝いたような笑みで
「またね!」
と言われた。その日から僕はよく橋に通うようになった。