校内に響く生徒の声、校庭の花にを水をやっている教頭先生。夏休み早々ギャルのド派手な髪染め、スカート丈がバレ、早速生徒指導を受けている生徒。

たった1か月半しかたってないというのに、全てが久しぶりの光景に感じた。

俺は変わりなんて望んでいない。普通に、ただ平和に過ごせればよいと思っていたそんなある日のこと。

キーンコーンカンコーン

「おーい!蒼~!明後日提出の宿題見せてくれよ~泣」

始業15分前に、駆け寄ってきたのは隣のクラスの幼馴染、桐谷翔(きりたにしょう)だった。
翔とは幼稚園生のころからの幼馴染。校内では結構犬系男子として有名な男子だ。
今でも尻尾あるのかってぐらい目をウルウルさせながら、こちらを見つめてくる。

俺は仕方がなく、スクールバックから宿題のノートを取り出した。

そのとき、
「隙あり!もら~い♡」

と、同じく幼馴染の入谷心(いりたにこころ)が俺のノートをとっていった。
彼女は人生いろいろある人間で、よく迷走していて、こちらの想像を超えることをしてくるが、基本的は優しくていい子だ。

「それ、提出期限前返せよ。」

そういうと心は教室から出て行ってしまった。

その直後、情報屋の翔が礼に購買の期間限定のチキンパイを差し出すとともにとある話を持ち掛けてきた。

「そういえば、転校生が来るって聞いた?」

俺はあらぬことを耳にし、驚いた。

だからやけに、クラスの男女が可愛さ、カッコ良さ作りをしているわけか。

「聞いてない。」

そういうと、翔は最初は少し曇った顔をしていたが、すぐにいつも通りの満面の笑みで「またな」といい教室後にした。

生徒会である俺が知らなかった事実に驚いたのだろう。

俺はその真実を目に嫌気がさし、教室の外のほうの窓の様子をうかがった。

そこには4人組の男女グループがいて、チョコ板ジュースを作っていた。

また、そういう「仲間(グループ)」のカーストとか変わるんだろうなと思いつつ、翔からもらったパイを口にした。

『俺には変化などあるわけない』という思いより、翔からもらったパイが意味深な味でそちらのほうが勝ってしまったのは内緒の話だ。



しばらくすると担任の文先生が、けだるそうな顔をしながら入ってきた。

「へーぃ。」

先生の世界一やる気ない号令の合図とともに朝の会ははじまった。

「んで、今日から2年B組に新しいクラスのメンバーが増えました~。」

と何度も経験してきたような振る舞いとともに『転校生』に合図を送っていた。

翔から聞いていた話、俺は1ミリを驚きさえしなかった。むしろ嫌悪のほうが俺の中では協調されていた。

「はいってきんな。」

ガラララ。

凛としつつ、醸し出す美しさ。まぶしい瞳。オーバーサイズのサマーカーディガンに金髪のボブヘア、
彼女が俺たちのクラスに入り込んだ途端、教室のざわめきが一気に静まった。

新しい上履きが、太陽とともにかすかに黒板に反射していた。

「ん~と、名前と軽く自己紹介して。」

先生の合図とともに彼女が黒板にあったチョークをそっと持ち上げ、名前を書いた。

鈴本 日向(すずもと ひな)

不器用な字だったが、そこはどこか懐かしさを感じさせるものだった。

彼女がペンをそっと置いた瞬間。

「こんにちは!!鈴本 日向です!勉強など苦手で、この学校得意な子が多いと聞いたので色々足を引っ張ってしまうことがあると思いますが、何卒お願いします!!ちなみに、得意なことはアート系です!」

と翔に並ぶぐらいの満面の笑み、透き通った明るい声で自己紹介をしていた。

どうやら、この辺に来るの初めてらしい。ワクワクしていることが、あからさまだった。

彼女のことを歓迎するようにクラスメイトの質問責めが始まった。


「Minstagramやってますか!?」

「Yine やってますか!?」

「購買のパンとてもおいしいから、1個上げる!買いすぎちゃて。」

彼女は淡々しつつ、嬉しそうに丁一つずつ丁寧に返答していた。

俺はできるだけ陽キャパワーという名のものを浴びないよう、そっとカバンの中から本を取り出し目をそらすようにしていた。

それに気付いてしまったのか、文先生は俺とクラスメイトとの交流盛んにするべく、俺の隣に座る様指摘した。
ただでさえ番号中に座っても隣だというのに、これから半年間隣だと思うと憂鬱だった。

クラス中からは、男女問わず彼女の性格、可愛さ、美しさに圧倒され、あまりクラスとの関りを積極的にしない俺の隣になったことを、羨ましがるなり、睨んだりなの夏休み早々最悪なスタートダッシュだった。




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「予告したから知ってるは思うけど、明日は模試だからな!鈴本はまぁ、できるところを頑張ってくれ!!先生たちは会議あるからいつものよろ~!」

そういうと先生は補修を終えた問題児のようにスキップをしながら教室を出て行った。


夏休み明け登校初日とはいえ、教室の掃除、チョークやマーカー等の備品の整備など色々することは山だくさんだ。

なのに、邪魔者(転校生)のせいで、昨日学級委員として送ったグループチャット通り実行されていない。グダグダ、いや実行さえされていない。

俺は仕方なく、メモを手に教室を出て備品館へと向かった。

「あ、蒼~!」

備品館につくと幼馴染の心が駆け寄ってきた。。

「どう?終わりそう?」

と嬉し気にこちらをうかがっている。

「終わりそうにでも見えるのか。そもそもお前は宿題終わらせたのか。そっちを優先しろ。」

俺がしかめっ面で言うとそれを見ていないかの様な返答をした。

「え!!1時間半もたってるのに終わってないの!?」

「転入生もどきのせいで、おわるどこr」

そういってると、鈴本名乗る転校生が汗だくの姿で入ってきた。

「えーと、井ノ瀬くん?だよね?ごめんね!清掃のこと全く知らなくて...。今からでも手伝えることあるかな??」

と首をかしげてきた。気が付いたらさっきまで隣にいた心も教室に戻った様だ。

「鈴本さん?は2班の教室清掃だけど、よくわかったね。他の細かいこととかわかる?」

俺が尋ねると、2班のメンバーに飲み物を買うついでに送ってもらい、そのうえ説明を受けたらしい。

転校生に備品集めを集めさせる俺のクラスメイトの神経をまず疑うが、そんなことを考える時間もなかった。

YINEには既に追加されているようで、俺は昨日の内容を再送信し、内容を詳しく説明した。

彼女は確認後、洗剤などを手一杯に礼を言うと出て行った。

俺はあの転校生に正しく教えられたのだろうか。もっと丁寧に教えるべきだったのだろうか。

いや、足を引っ張った転校生もどきに俺は何を考えている。逆に、あそこまで時間を割いて丁寧に教えたことを後悔した。

俺は紙やホチキスなどを手に備品館のカギをし、生徒会へと向かった。
生徒会には暑い中教室や学校の清掃をしなくていいという特権がある。むしろ生徒会室でクーラーの聞いた部屋で夏休み後の報告入力や、パンフレットの構想を練るだけという非常に簡単なものだ。手を汚さず、汗もかかず、俺はこの仕事を非常にいい条件としてみている。これが理由で入ったといっても過言ではない。

ドア越しから、生徒の騒ぎ声が聞こえるのは残念だが。

そうこうしていると、会長の鹿野崎先輩が入ってきた。

「ごめんね、遅れちゃって~。教室にカメレオン入ってきて大騒ぎになって、びっくりした風紀委員の子が教室の備品落としちゃて~」

などと、俺が先輩の立場なら、『口を動かさず、手を動かしましょう』と言いたくなるぐらい、先輩はたったの2時間弱のことを熱弁し始めた。

どうやら、生物室から逃げ出したカメレオンらしい。
まるで、いつもどっか行って、すぐにその場に適応し、なじめる先輩の様た。

俺は少しその先輩がうらやましい気もした。

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「ん~!みんな遅くまでありがとう!」

気が付けば、来月の交流会の確認など色々作業をしていると、時計には16時と表示されていた。

「そういえば、蒼君のクラスに転校生きたんだっけ?確か女の子だよね~。良かったじゃん!てか、生徒かなのに知らなかったんでしょ!もう~。」などと、面白おかしそうに俺をからかい始めた。

「んで!どう!可愛い!?」質問責めをする先輩はまるで、興味津々好奇心旺盛の小1のようだった。

「俺は別にそういうの興味ありません。」といい、挨拶をし、明日の模試に向けて教科書を開いた。

特に理由もなく、ただ単に平凡な学生ライフを送るために。

明日のテスト内容は、国数理社英と5科目に編成されていて、500満点中350点以上取らないとNG、勉強班で一人でもいたらアウトという都立東空高校独特のルールがある。ペナルティーとしては、校庭裏の草むしり、先生の雑用などと、1年間続けることになる。いわゆる歴史的に言うと『五人組』というやつだ。ただ、学年の中からランダムで選ばれるというシステムになっている。テスト直前発表システムになっているため、責任感重大となっている。これまで生徒会の仕事をしてきたが、失格になるグループはごくまれだ。

少なくても俺はそれで人の足を引っ張る存在にはなりたくい+悪い成績をとりたくない。自分さえよければ良い。俺はそう思いこの18年間生きてきた。

誰かのために物事をするなんて、馬鹿馬鹿しかった。必ずしも感謝されるとは限らない。逆に自分が馬鹿にされて挫折するリスクだってある。そのリスクを取るぐらいなら、俺は最初から手助けなんてしないほうが良いと思ってるが、これに関しては少し違う。

俺のせいでペナルティーをくらうと俺の印象がより下がる。これも理由の一つだ。

俺の考えは誰にも覆されることはない。そう思っていた。

~翌日~

「~と、井ノ瀬と鈴本。」

思いもしなかった。何百人もいる学年の中からあいとなるなんて。

どこかで計算を間違えたのだろうか。

やはり可能性を、学年の生徒をXとした場合の1/X ではなく単純に1/2に計算したほうがよかったのだろうか。

俺は絶望とともにテスト用紙をめくった。

今回の模試の内容はいたって、基礎を中心とした応用問題。


国語は現代文と古文、漢字、小論文

数学は服装数と方程式

理科は、分子量、モル濃度、遺伝子

社会は世界史、日本で言うと蒙古襲来あたりをやっている

英語は助動詞、不定詞など根本的なおさらいが出た。

俺の予想だと500満点中450点というところだ。

他の奴らは心配がない。

ただ、あの転校生の学力がどこまでるか。という問題だ。

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テストが回収され問題用紙だけが手元に残った。

横を向くと机に伏せて寝ている出来損ないがいた。

問題一問も解いていない模様。

どうやら俺たちは先生の雑用になりそうだ。

どいうシステムかは、生徒会の俺でも詳しくは分からないが非常にめんどくさいことに巻き込まれてしまった。

彼女は周りの生徒から、パンだの、宿題の内容など囲まれチヤホヤされている間に俺は炎天下の中さっと帰った。

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~視点切り替え~ (日向視点)

少しは解いたものの、習っていないところばかりで分からなかった。
クラスの子たちから送ってもらったテキストやノートに書かれたことは頭に入れたものの、昨日徹夜したせいで、頭も回らず早速迷惑をかけてしまった。

井ノ瀬君に謝ろうと席を立ちあがったが、クラスの子たちに囲まれてしまい、気が付いた時にはもうすでに帰っているようだった。
明日から平常授業だから、そこで謝れるかなと思いつつ新しいクラスメイトとの新しい思い出に私は足を踏み入れた。

早速、クラスメイトの子がここから近い喫茶店に美味しいデザートがあるらしく今からそこに行くことになった。

「じゃ、日向ちゃん。行こ~!」

とさっそく、上宮寧音 (かみみやねね)ちゃんの合図とともに喫茶店へと向かった。

「日向ちゃんはこの辺、初めてなんだよね???」

とポニーテールを揺らしながら聞いてきた。

寧音ちゃんの髪はサラサラで先っちょが内側にまかれていて可愛らしかった。

「うん!そうなんだ!私ただでさえ方向音痴だから色々教えて~。」

等と会話を続けていると10分もしないうちに寧音ちゃんが言っていたカフェ、『ホワイトクリーム』についた。

どうやらここは、最近できたばかりらしくとあるインフルエンサーによって広められたらしい。

寧音ちゃんも初めてらしく「日向ちゃんと初めてを共有したくて☆まずかったらごめん☆」

と言ってきた。

外装はパステルでふんわりとした色をしていた。
ドアは自動ドアで、バリアフリーだった。

早速はいるとそこは、大勢の学生でいっぱいだった。

私と寧音ちゃんはそこで『ポテトフライチキンウィズオムライス』と『ミックスフルーツホイップウイズパンケーキ』というものを注文した。代金も学生に優しく、1750円ほどだった。寧音ちゃんは天然で可愛らしい印象が最初はあったが、実際話してみると頼りがいがあって自然と引っ張っていかれる存在だった。

寧音ちゃんは私がまだ知らない、先生の秘密の話や購買のパンの正しい買い方など色々と面白い話をしてくれた。

正直先生が二日酔いで学校に来るのを忘れ、半日自習(ゲーム大会)になったと聞いたときは、あの先生ならやりかねないと思い大笑いした。

二人でそのあともゲームセンターで、クレーンゲームをしたりプリクラを取ったりしていると時刻は17時になってた。

学校を出たのが12時過ぎなのに、ほぼ初対面のクラスメイトとの子とここまで楽しく遊べるなんて私は思いもせず、手をビュンビュン丸を描くように「また明日ね!」と私が言うと、寧音ちゃんもジャンプをしながら「また約14時間後!!」と笑いながら言ってくれた。

でも、もし同じグループ(五人組)になったら、この関係はー。

と一瞬ネガティブな方向へとは知ってしまった。が私は今日をその色に染めないよう、タピオカを買って気分をポジティブな方に変えて帰った。

明日のテスト回避できてるよね!

きっと!

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~視点切り替わり~ (蒼)


「え~。井ノ瀬グループ脱落~。」

危惧していたことが起こってしまった。

これで俺の印象はバク下がりだ。

生徒会という名の役職を手にしているのに、これでは生徒どころか先生の印象も下がってしまう。

仕方がない。印象アップのために、生徒会という権利を使おう。

あいつに勉強を教えあいつさえ飲み込んで今回より良い点数を取ってくれれば俺の株も少しは上がるだろう。

まずは、転校生に俺なんかが近づいてずるいと陰口を言われることを回避することからだが。

まあ、生徒会室にこの俺が『生徒会の会計』として先生から頼まれたふりを色々教えるふりをすればなんとかなるだろう。

俺は今日の放課後あいつに声をかけることにした。

俺は徹底的に「あいつ」を利用する。そうと決めれば、クラスメイトからどう引き離すかノートに計画を立てた。
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鐘が鳴り、生徒たちが部活、家など、それぞれの所属に向かう中、俺はあいつに「嘘」を使い話しかけた。

「えーと。鈴本さんだよな。悪いけど生徒会室に来てもらえる?先生から渡された資料とか渡してーから。」とクラスの女子に囲まれているところ俺は割り込んだ。

クラスの女子が俺のことをどう思ってるかなんて気にしない。

正直、生徒会室で資料を渡すことはまず俺らの学校ではない。

生徒に文化祭の予定、運動会の予定、などと知られてはいけないものがたくさん置いてあるからだ。

けれど、彼女は謙虚にいうこと言い俺の手を取った。

正直こういう系の女は嫌いだ。

でも、本来の目的を思い出し、俺は今日生徒会がないことをいいことに彼女を椅子に座らせ部屋のドア、そして窓を閉めた。

そして俺の気持ちをぶつけた。


「お前が転校してから、散々だ。クラスのみんなはお前のせいで言うことを聞かない、彼女のせいで生徒、生徒会、先生方に迷惑をかけてるの分からないのか。生徒には雑用係巻き込むんだぞ。生徒会には草むしりの時使う機械とかの予算計算、しかもそれやるのは俺だし、先生たちはテスト作り直さないといけないんだぞ。お前なんか他の学校にー」

そう言いかけたとき、

生徒会のドアに鍵が差し込まれる音がした。

生徒会長は部活、

副会は大会のためしばらく公欠、

書記は留学中。

誰も差し込むはずのなかった。

俺は邪魔者をほうき等が入っているロッカーに入れようと立ち上がった瞬間ー。

ガラララ

と少し古びたドアが開いた。

「か、会長?」

部活がある先輩がなぜかそこにいた。

何事かと思い、さすがの俺も会長のほうをうかがうと、

「ちょ、!ここにいたの!!心ちゃんが!」とのことで俺は先輩に保健室へと連れていかれた。


俺から呼び出しておいて、置き去りにして俺の印象がますます下がった予感もしたが、これとあれはまた別の話だ。

言い訳が付くだろう。



保健室の先生曰くどうやら夏風邪を引いたらしい。
鹿野崎先輩曰く教室付近でフラフラしていたらしい。
熱は38度後半でこれからも上がる可能性があり、体調も悪いらしく、先輩は幼馴染かつ家が近い俺を探していたらしい。
携帯には着信が30件超える着信が来ていた。

少し邪魔者のことを頭にしながら俺は心を家に送った。

俺が何言っても抵抗・反抗しなかったことが不思議に思えた。

俺は、自分の名誉にあんなこと言われたら絶対殴り返してでも止めるのに。

少し言い過ぎてしまったのだろうか。

それとも、あいつがただ甘く見ているだけなのだろうか。

俺はあいつにならない限り正解なんかわからないもの同然なのだろう。

夕焼けで綺麗だった空が、一瞬雲に覆われ辺りが少し暗くなっていった。

心、お前ならどうするんだ。

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気が付けば時は23時になっていて俺は布団に入る準備をしていた時、非通知の連絡先から1件メールが来ていることに気が付いた。

あいつから、「迷惑かけてごめんね。次のテストではかけないように頑張るね!!」と謝罪と意思表明を示すものだった。

俺は18年間、人との正しい接し方が接し方が分からなかった。

俺は本来、暴言を吐くのではなくて勉強を教え株を上げるべきだったのだろう。

やり方を間違えたことに、俺は俺のために反省をした。

俺はただ「ああ。」としか返すしかなかった。
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結局一睡もできず、朝を迎えてしまった。

俺は正しく生きる方法がより分からなくなってしまった。

俺は利己主義になれない。

俺は俺のために生きていきたい。

ただあいつのことで凄く引っかかった。

人間は自分に対して何かを言われ責められたとき、自分の存在などを守ろうと警戒や反抗をする傾向がある。

俺は第一、迷惑をかけないように動く。が、そのうえで何かを言われたら俺のプライドセンサーが発動するだろう。

彼女にはないのだろうか。

俺は学校につき、とあることに気づき、全身の力が抜けそうになった。

心に貸した宿題のノートが返されていないことに。

言い訳をする訳もなく俺はただ単にその現実を認めるしかなかった。

俺は心に貸すのではなかったと、後悔、怒りがわいてきた。

鐘が鳴り、先生がノートだけ回収する際にあいつが席を立ち先生の方へと向かっていった。

「先生いいい!本当にごめんなさい!!私蒼君から参考にしたくて、今先生が回収してるノート貸してもらってたんですけど
教家において来てしまって。。。」

俺のミスをあいつのミスとすり替えるように。あいつは先生に嘘をついた。バレたら怒られるのは俺なのに。

しかし、幸いにも、先生は彼女を信じ、」軽い注意でことは済んだ。

俺はここで罪悪感に追われた。

彼女が好かれるのは、自分のこともたいせつにしつつ、他人のことも大切にできる。

だからだろう。カースト関係なく彼女は転校2日目にしてすでに大勢の生徒から好かれていた。

俺は常に自分のことしか考えていなかった。

俺は少し彼女の行動がまぶしく見えた。

2日目の転校生を前から知ってたかのように、即嫌悪をした自分が少しバカバカらしくなってしまった。


気が付いたら、俺とあいつはこの件以来個人的に話さなくなってしまった。



そして、気が付けば2か月ももたっていた。

雑用についてはあいつが先生に話付けて、一人でやってくれたんだとか。

あまり知られてないルールのため俺らが疑われることは幸いなかった。

俺はなぜあんあことを言ってしまったんだろうか。

今から謝ればやり直せるのだろうか。

俺は自分の力では対応しきれなくなり、担任に仕方なく今回のことを相談することにした。

職員室前、今の時間帯だと先生があまりいない時間帯だ。
でも、俺は何としても先生に相談したかった。
俺はドアを3回ノックした。

「井上先生ー。」

先生はなぜかいた。
あのかの有名なめんどくさがりな先生が。

先生は俺の話が終わるまですべて聞いてくれた。

俺は鈴本さんみたいになれないこと。

俺が鈴本さんにしたこと。

あの日、鈴本さんが雑用を一人でやったことの申し訳なさ。

俺は何か何まで最低最悪の人間だった。

カーストと何を言ってるのだろうか。

本来、俺はどうありたいのだろうか。

けれど、先生は怒らず、俺が反省していることを認め俺のことは攻めなかった。

俺は鈴本さんに酷いことをした。

俺はなぜ鈴本三さんに無茶ぶりのことをしてしまったのだろうか。

俺は人の痛みが分かる人間のはずだ。。。

なのに。。。

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これは、俺たちが小学生のころの話だ。

三人組で常に固まっていた俺らにとある1人の女が入ってきた。

その女子は鈴本さんと下の名前が同じで、境江比奈(さかえひな)というなのものだった。

境江が俺らのグループに入ってすぐ心はいじめられた。

先生などは成績優秀で学級委員長だった境江のことを信頼し、俺たちのことは信じてくれなかった。

「そういわず、仲良くしなさい。」と。

彼女は先生が来たときは心や俺らに優しくしているふりをし、陰ではずっといじめられた。

後で知ったことだが、心と比奈の親はもともと仕事仲間だったらしいが、心の親が経営難に陥った際共同で立ち上げていたプロジェクトの出費を払えきれなくなり、比奈の親が出したことで、比奈の親の会社が心の親の会社より、赤字になった。

それを理由に、比奈は孤独を感じ、他の人(主に先生や生徒、生徒の親)から『可哀そう』などと言われ、それが比奈にはぎこちなかったんだとか。

詳しい話は心が一番知っているが、俺はここまでのことしか知らない。

おそらく、俺の中でこの経験がトラウマになって、鈴本さんの名前と一致して警戒していたのだろう。

心は比奈が転校し、何を言われても繊細で優しかった心は常に我慢し、よく体調を崩すようになってしまった。

いわゆる「ストレス性体調不良」なんだとか。

18年間一緒に生きてきた俺はそんな心を守りたかった。

恋愛感情があったわけはないが、大切の仲間を守りたくて、いつか比奈を見返せるような人になりたくて俺は勉強を必死にした。

それを追いかけるようにあの2人も俺についてきてくれるようになった。

心はあのことから、性格がかわってしまった。

昔はもっとおとなしかった。

けれど、本当の自分が傷つかないように、心は心なりに性格を使い分けているのかもしれない。

本当の自分を守るために。

俺も心と同じなんだろうか。

唯一変わっていなうのは翔だけだった。

それが俺の中では数少ない支えでもあった。

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俺は自分に対する嫌悪感とともに鈴本さんの方へと走っていった。

許してもらえないかもしれない。

既に嫌われ割れているかもしれない。

確率は今回は可能性は2分の1ではない。

許してもらえる可能性は1割もない。

あんなことを言ってしまったのだから。

けれどこれは俺のエゴで謝らないと俺の気が済まなかった。

俺はブロックされてる可能性はあったがメッセージを鈴本さんに送信した。

俺が100%悪いが、改善法を知りたかった。

人間との正しい接し方を。文先生が教えてくれたことを胸に鈴本さんを探した。

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「鈴本さん!!!」

俺は校庭でウサギにエサやりをしている鈴本さんを見つけた。

彼女は俺を見た瞬間、その場から離れようとした。

が、俺は彼女の腕を握り、彼女をもとの位置へ連れ戻した。

「鈴本さん。ごめん。俺がすべて悪かった。俺のk-」

俺がそう言いかけたとき鈴本さんは涙目になりながら座り込んだ。

「違うの。本当に謝罪するべき人は、私なの。」

俺は状況を把握できずただ単に彼女のそばに居てやることしかできなかった。

後日、鈴本は俺ら三人を屋上に呼び出し、境江比奈であることを明かしたのは翌日のことだった。

彼女はあの時の経緯を丁寧に教えてくれた。

彼女が養子であること。

彼女は世間性を重視する父親(義)にいい意味で使われたこと。

彼女の本当の親は幼稚園生の時彼女を病気で捨てたこと。

それを今ではすごく後悔していること。

その後悔を覆い隠したいがために優しい人になったこと。

彼女は涙ぐみながらすべてのことを教えてくれた。

この学校に入学したのは義父からの情報で、謝罪するためにこの学校に入学したらしい。

今はバイトをして一人で暮らしているんだとか。

彼女は結論から言うと、俺たち、心のことが羨ましかったんだと思う。

幼いころ病気になり、不安になってた束の間両親には捨てられ、義理の親には暴言などを吐かれ、常に比奈は恐怖と戦っていたんだ。

今思えば比奈は特別俺らにだけ攻撃的ではなかったことを思い出した。比奈は話しかけられたら、自衛するため攻撃的になっていたんだ。

それで、逆に他のクラスメイトと違って、何も話してこない心に不安を抱いたのだろう。

そう思うと俺らはある意味似た者同士なのかもしれない。

比奈は何回も謝罪をしてきた。

許すのは俺ではなく心の方だ。俺と翔はただ、心のほうを見つめることしかできなかった。

心は震えながら、比奈の事情を自分のことのように受け入れていた。

少し、久しぶりに本来の心が見れた気もした。

俺たちは和解することができた。

これが本来あるべき姿のだろう。

文化祭や体育祭など行事もあと1か月。

11月の思い出づくりのために、俺たちは歩み寄っていった。

全てを嫌な思い出では終わらせたくなかった。

高3は受験ですべての行事がない。

高2の思い出は最高の思い出にしたい。

そして大学生になったら、今回の思い出を超える思い出にせて、毎回『思い出』を最高の者に更新していきたい。

ただ俺たちは緊張感と警戒心が芽生えた。

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~視点切り替え~(比奈)

「寧音ちゃん!待たせてごめんね!!」


私は何もなかったかのように寧音ちゃんのもとに駆け寄った。


私はこうやってずっといい人のふりをしてるのかな。


そう思いつつ、寧音ちゃんと次の時間の小テストの確認をした。

「うわああああああ。元素記号はもう勘弁してほしいよおおおお。」


とりあえず私は何かしらのリアクションをした。


とりあえず善人ぶった。


時々思ってしまう。


もし、テストのように善人指数がでたら、私は善人どころか、悪魔なんじゃないのかって。


世の中実際どうなんだろう。


人は数値に群がる習性がある。

頭の良さを示す偏差値

顔面偏差値

実績数

テストの点数

健康診断の指数

血圧


すべて、たったの「指数」、パーセントにあたるもの。


それを人は努力も見ずに受け入れない習性がある。


私はそんな世の中が嫌いだ。


「嘘」でもいいのに、なぜ人は嘘をつかない。

人が傷つかないだけのための嘘。

ただ、道徳の授業と同じでそこに答えなんてないのだろう。

正しい答えも間違えた答えも。

私は嘘をついている。


それは私の中で今の現状が変わるのが怖いから。


自分は凄いわががまで意地悪だな。


空は広くて青いのに、私の心はまるで、雲のようにすぐ消えてしまい、どこか湿っているような思いがあった。


寧音ちゃん。寧音ちゃんにはきっと私よりいい子がいるよ。

ただそれをひたすら心にとめて、それを言い出せない自分がいた。


多分それは、寧音ちゃんに対しての敬意と感謝の気持ちが大きかったからだろう。



ねえ、寧音ちゃん。寧音ちゃんは私のすべてを知っても受け入れて、この先も一緒にいてくれるー?



寧音ちゃん限らず、ほとんどの人はいてくれないんだろうな。


正直隣に一生いてくれる人が欲しかった。

何があっても、ずっと隣にいてくれる人。

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~視点切り替え~ (心)

正直、比奈ちゃんとまた会うなんて思ってもなかった。

忘れたことのない嫌な記憶。

比奈ちゃんと会ったときはまだ髪を染めてないときで、凄く「お嬢様」だった。

お父さんから話は聞いていて、仕事の仲間の子が来ることは聞いていた。

お父さんの仕事仲間の子、どんな感じが楽しみだった。

でも実際に会ってみたら、凄く私にだけ意地悪でわががまでひどかった。

今、高校生になって小学生の頃の比奈ちゃんの気持ちが分かった。

でも、私はもしかしたら、あの経験がなければ、ずっと変わろうとしなかっただろう。

親の仕事関係をその時以上に負荷をかけたくなく私はいじめられてることを言えなかった。

お父さんは仕事で忙しく、お母さんは凄く厳しくて幼かった私は何もできなかった。

けど、だんだん心が砕けるも何も、「無」になってきて、気づいたら身体に不調が出てきた。

最初は頑張っていってたけど、親に事がバレてしまった。

けど幸い、親はそれを比奈ちゃんの親に言うことはなく、ことは穏便に済んだ。

二人ともリスクを取ったんだとか。

その代わり、体調が悪かろう良かろう、学校は行きたいときだけで良いと言ってくれた。


けど、弱い自分が私は逆に嫌になっていった。

毎日来てくれた2人もいろいろ言われてるかもしれない、なのにいつも来てくれた。

私は無力でただ渡してくれるプリントを受け取ることしかできなかった。


今も思い出すだけで、押しつぶされそうになるし、息苦しくなるし、おなかもいたくなるし、


私は凄く良くも悪くも繊細だな。

もっと何を言われても強くなりたい。

立ち向かう力が欲しい。


今の私も何もっできないんだろうな。

自分がだめだから、未来の自分もダメになってしまう、そんな風に思えば思うほど息も、お腹も、全体が苦しくなって、私は下校中に座り込んでしまった。

少しずつ意識が離れていくとともに、遠くから誰かの声が聞こえた。

けれど、だれか確認してしまう前に全身の力が抜けてしまった。

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目が覚めたら少し薄暗い部屋にいた。

部屋はライラックの優しいにおいであふれていた。

服はすでに着替えさせられていた。

すると蒼が部屋に入ってきた。

「お、起きたか。調子はどうだ?」

「一応、さっきよりは。とういうか、服って・・・」

そう言いかけれると、どうやら蒼のお母さんが着させてくれたんだとか。

部屋は蒼のお姉ちゃんのらしい。

今は外交官目指して留学してるんだとか。

「今日泊っていくか?」

蒼が温かいコーンスープを渡しながら問いかけてきた。

「いや、大丈夫。ごめんね長時間!」

「送っていく」と珍しく男らしいことうぃう蒼に私は少しうれしかった。

私は蒼お母さんに礼を言い、蒼と一緒に暗い住宅街を歩いて行った。

「ごめんね。わざわざ。夜遅いのに。」

申し訳ながらいうと、蒼は「別に」とつぶやいた。

「こんな質問をするのもなんだけどさ、」

やっと二人になれた今、私は聞くことにした。

蒼から見て、入谷心(わたし)どんな人か。

私は本当に弱いのか。

蒼なら正直に答えてくれる。

そう思って勇気を出して聞いた。

蒼はいつもより落ち着いた声で、

「別にお前がお前であろうとすることに、拒否権なんかないし、誰かが口出しするけりもない。ただ、お前がどうありたくて、今満足できているかだ。俺はお前を応援してる。お前が別にそう思う必要はない。」

と、『弱くたっていい』とそういってくれた。

それだけでまた、私は生きていけそうな気もした。

比奈ちゃんともう一度やり直して仲良くなりたい、心からそう思えた。

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私たちの学校は交流班というシステムが年に2,3回ぐらいある。

私たちは、同じグループになった。

先生方の案で今回はグループでプレゼンをすることになった。

もし、迷惑かけたらどうしよう、など色々なことが頭をよぎった。

また、昨日みたいになりかけたときー。

蒼がそれに気づいてくれたのか、蒼は私がこの場をいったん離れるのを指示するかのように図書室の資料を取りに行けと言われた。

それも瞬と一緒に。

翔もそれに気づいたかのように、いつも道理の笑みを浮かべ、「行こう!!」席を立ちあがった。

私はいったん逃げるかのように教室を後にした。

日がちょうど蒼の席の方に差し込んでかっこよく見えた。

でも、あの一件がなかったら、蒼は変わってなかっただろうから感謝なのかな。

それとも今まで、私がそれを当たり前にしすぎただけか。

誰かが始めてきて、気づけるものもあるよな・・・。

そう思いながら、図書室に向かうと新しく入った本が並んでいた。

今回私たちがやるお題は 「人間関係と精神の比例」というもの。

比例や反比例の公式、データーの読み取り、と保健などの複数の科目が混合された今回の課題。

本の保存のためほんの少し暖かった図書室。

なぜかすごく落ち着いた。

私は、比奈ちゃんと仲良くなりたい。

なのに、なんで。

心の中でまだ、恐れているのだろうか。

心の中の葛藤が何度も何度も繰り返される。

そんな時、とある本を見つけ私はこっそり、貸出のコードをプレゼンに使う資料とともに読み取った。
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帰ると、蒼と日向ちゃんが、いろいろと統計を調べてくれてた。

「あ・・!おかえり!!」と笑顔で日向ちゃんは浮かべながら、歓迎してくれた。

手元を見ると、いろいろの公式のメモとともに推測できることなど丁寧に書かれていた。

お父さんの話曰く、日向ちゃんは生まれつき知能能力が平均より下で、暗記能力が低いなど色々な話を聞いてきた。

だからこそ、そんな日向ちゃんのことを、永遠に『嫌な人』認定ができなかった。

一生懸命にやって、転んで、からまわりしてしまう。

そんなところがどこか私に似ていた。

私も日向ちゃんみたいに、前に進める人になりたい。

私にはできない。

過去のことを忘れているわけじゃないけど、後悔や失敗を温故知新できるのが私からしたら凄いことだった。

私ならずっと、後悔などのままで終わってしまう。

『私』は本当に他人から見てどういう人なんだろう。

さっきみたいに、迷惑かけて助けられてばっかだな。

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「よし、みんな揃ったしやるか。」蒼の合図と共にに始まった。

私は取ってきた資料を一束にまとめた。

「あ!それ見てもいい??」と日向ちゃんが言ってきた。

「いいよ。」と言い渡しはそっと渡した。

「ありがとう!!」とニコニコしながら言ってくれる日向ちゃんに少し申し訳なさが残った。

日向ちゃんは今変わろうとして、今を大切にしようとしてるのに・・・。


私はいつまで下を見て低空飛行してるんだろう。

蒼も元々家庭環境が決して良くはなかったのに、向き合おうとしてる。

私は、許した。

だから、あの二人も許した。


なのに、私は踏み出せずにいる。


資料のページをめくると、いじめについての記事があった。


いじめる側には主に2つの理由がある。

ひとつ、今の現状に満足がいかないから

ふたつ、男子などの場合は好きでしてしまう


確かに今思うと、あの頃の日奈ちゃんはそういう状況だったのだろう。


暗い森の中、(私たち)のことを見つけて。


でも、思うようにうまくいけなくて。

そんな中、「女子」だった私が羨ましくなって。

最初は、軽いいたずら程度だったけど、

純粋に守ってくれる二人が日向ちゃんにとっては、理想のかたちだったんだろうな。

あの頃の日向ちゃんはきっと、一人だったから、弱く感じて、そんな日向ちゃん自身を守るための手段だったんだろうな。

私ももしかしたら、そうだったのかな。

私はまぶしい日向ちゃんがかっこいいとおもってるよ。

私は外の飛行機雲を見つめながら、パソコンに情報を入力していった。

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お昼を食べ終え、次の時間は文化祭についてだった。

私たちのクラスは隣のクラスと合同でメイド喫茶をすることになった。

1部の男子もメイド服を着るんだとか。

メイド服を着たくない子は、買い出しなどに回されていた。

宣伝ポスターは、私が書くことになり、責任感重大だ・・・。

メイドの絵、ツインテールとロング、どれがいいのかな。

服の色も鮮やかのほうがいいのかな。

そう思いながらペンタブをいじっていると、

「わ~!日向ちゃんうまい!!みんな見て~!」

と、日向ちゃんの弾む声にみんなが集まってきた。


「わ~!入谷さんの絵、凄い透明感会って綺麗~!」

「ここのほっぺがたまらない~!」

「リボンに水滴がついてるのとか、爽快感ある~!」

などと、たくさん褒めてもらえた。

日向ちゃんは昔唯一褒めてくれたのも絵だった。

それ以外は無視されたり、押されたり、色々あったけど。

今思えば、一番傷つく「言葉」でひどいこと言われたこと、あまりなかったな。

そんなことを言いながら、教室の方に会った重い荷物を日向ちゃんがもった瞬間ー。

教室に音が鳴り響いた。

どうやら日向ちゃんが倒れたらしい。

教室はパニックった子がいたり、泣き出す子がいたり、先生を呼びに行く男子がいたりと混乱の海になった。

私は立ち止まったまま何もできなかった。

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比奈ちゃんは保健室に連れて行かれ、文化祭の準備が再開した。

比奈ちゃんがいないせいか、一気にクラスは静かになっていた。

そんな時、先生が「誰か日向の薬知ってる奴いるか。」と教室に入ってきた。

私たち以外のクラスの子は驚愕していた。

日向ちゃんは私たち以外にそのことを言っていなかった。

病気であることは知っていたけれど、定期的に薬を飲んだり治療が必要なものとは思っていなかった。

そんな時、教室の端においてある便の存在に気付いた。

それは、私が自分のかと思ってどかしたものだった。

私はそんなことを思う前に先生に渡した。

私が渡したから、私が犯人扱いされるのかな。

そう思いながら震えていると、翔が察して購買へと連れてってくれた。

それも、「いったん休憩しようぜ」と言って、私たちだけにならないように。

「私、どうしよう、あの薬見る限り同じような種類の奴だった。私知ってたはずなのに・・・」

「もしこれで、死んじゃったら私・・・。」

涙ぐみながらに言うと、

翔は私を抱き、こう言ってくれた。

「大丈夫!!日向ちゃんはそういうことを俺らに行ってなかった。詳しいことは言ってなかった。だからお前だけのせいにはなんないから!」と慰めてくれた。


私はいつもこうなる。

人生で人に嘘をつかないようにする。

純粋に誠実に生きるのが人。

そう思ってる。

なのに、わざとであろうそうでないだろう、酷いことしたときは人間失格と思う。

優しく清くあらなければいけない。

なのに・・・。

今思うと私も日向ちゃんにひどいことをしてしまった。


私は身体的な方をしてしまった。

日向ちゃんがその時、「病気」であることを知っていたのに。

なのに・・・。

私がこんなにやさしくされる筋合いないよ。













日向ちゃんはあのあと学校にくることはなかった。








私も、何も言われることはなかった。





日向ちゃんが記憶を喪失したときたのは文化祭最終日のことだった。









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あれから、月日は流れ大学生になった。


色々な専門知識を学べる国立の大学。


私は日向ちゃんが唯一褒めてくれた、「芸術」を専門にすることにしたよ。


日向ちゃん・・・。

そう思っていると、風の方向から聞き覚えのある2人の声がした。

蒼、そしてあの時の日向ちゃんだった。


何がその2人の間であったかは、よくわからない。


けれど、結構親しげに話していた。


日向ちゃんが記憶を喪失した今、私のことも忘れているはず。


だから、ここを新しいスタートダッシュにしよう。


そう思い私はカメラをてにとった。