それから二ヶ月の月日が流れた。
その日はカタクリが古いお米を潰してお煎餅を作ると言ったので賛成した。
潰して混ぜて焼く。醤油を塗ったりすると美味しい、、、。
六畳程の厨は二人で何かすると狭いが、何故かこの狭さが丁度良い。
「千早は脱いでおくと良い。醤油が飛んだら中々取れないからな」
カタクリは私の巫女服に目線を向けた。確かに汚れたら洗濯が大変なことになる。
一旦部屋に戻り、着替える。
千早を押さえている金糸雀色の帯を取り、千早を脱ぐ。、、、そういやカタクリの愛用している帯も金糸雀色だった。
なんて考えながら長持から細長い白色の紐を取り出してたすき掛けをした。
厨に行くと丁度お煎餅を焼き始めている工程。相変わらず速い、、、。
「美味しそう、、、お腹空いた〜!」
「アンズ、醤油を塗ってくれ」
「分かった!」
私が醤油をペタペタ塗って、カタクリがひっくり返す。
「お煎餅、、、早く食べたい!」
「煎餅は逃げないからな」カタクリは声に出さずに笑う。
出来上がったお煎餅をお皿に盛っていく私の隣でカタクリは夕餉の用意。包丁で野菜達を切っっていく。「今日は肉じゃが?」野菜達を見ながら聞く。
「ああ、よく分かったな」
「やったぁぁ!!」
嬉しくてその場で飛び跳ねる。カタクリの作る肉じゃがは甘いから好きなんだよね〜。
夕餉に思いを馳せながらお皿に盛ったお煎餅を菓子鉢に入れて棚に戻した。
夕餉が終わり、各々好きなように時間を潰す。
本を読んだり手鞠で遊んだり、、、好きなようにして時間を潰す。
「なぁアンズ」
カタクリが口重そうに声をかけた。
「どうしたの?」
「アンズが拐かされて殺されそうになった時、、、怖かったんだ」目を伏せて話す。
「、、、私も怖かった、、、」
アンズは思い出した。小屋に押し込められている時、一緒にご飯を食べて、笑って、遊んで、、、その日常が当たり前ではないことに気付いたことを。
そして、そんな大切な日常を一日でも長く続いたら良いと願った。
「お前はオレのことが好きか?」
「え、、、どうゆう、、、」
「好きだ」
思考が停止した。
何かが落ちた音がした。
落ちたのはさっきまでアンズが持っていた手鞠だった。
はっきりと聞こえていたのに、頭まで届かない。
頭まで届いた途端、顔がみるみる赤くなっていく。
「え、、、カタクリが、、、私を、、、?」
「そうだ」
真剣な眼差しをしながら言ったので、冗談や反応を面白がっているのではないと分かる、、、本気だ。
カタクリは言ってくれた。だから、そこで言わないアンズではない。
「わ、、、私も好きだよ、、、って恥ずかしい!!」 アンズは頬を赤らめた。告白する時は照れないって決めていたのに、恥ずかし過ぎて顔を隠してしまった。
(だって、、、告白するの、、、初めてだもん、、、)
自分に言い訳をしていると、カタクリがそっと顔を隠した手を退かす。
「やっぱり可愛い」優しく微笑むカタクリは、今まで見てきた中で一番、幸せそうな笑みを浮かべている。
「アンズ」
「、、、!!」
「、、、愛してる」
そして、カタクリはアンズへこの世の何よりも優しい口付けを落とした。
その日はカタクリが古いお米を潰してお煎餅を作ると言ったので賛成した。
潰して混ぜて焼く。醤油を塗ったりすると美味しい、、、。
六畳程の厨は二人で何かすると狭いが、何故かこの狭さが丁度良い。
「千早は脱いでおくと良い。醤油が飛んだら中々取れないからな」
カタクリは私の巫女服に目線を向けた。確かに汚れたら洗濯が大変なことになる。
一旦部屋に戻り、着替える。
千早を押さえている金糸雀色の帯を取り、千早を脱ぐ。、、、そういやカタクリの愛用している帯も金糸雀色だった。
なんて考えながら長持から細長い白色の紐を取り出してたすき掛けをした。
厨に行くと丁度お煎餅を焼き始めている工程。相変わらず速い、、、。
「美味しそう、、、お腹空いた〜!」
「アンズ、醤油を塗ってくれ」
「分かった!」
私が醤油をペタペタ塗って、カタクリがひっくり返す。
「お煎餅、、、早く食べたい!」
「煎餅は逃げないからな」カタクリは声に出さずに笑う。
出来上がったお煎餅をお皿に盛っていく私の隣でカタクリは夕餉の用意。包丁で野菜達を切っっていく。「今日は肉じゃが?」野菜達を見ながら聞く。
「ああ、よく分かったな」
「やったぁぁ!!」
嬉しくてその場で飛び跳ねる。カタクリの作る肉じゃがは甘いから好きなんだよね〜。
夕餉に思いを馳せながらお皿に盛ったお煎餅を菓子鉢に入れて棚に戻した。
夕餉が終わり、各々好きなように時間を潰す。
本を読んだり手鞠で遊んだり、、、好きなようにして時間を潰す。
「なぁアンズ」
カタクリが口重そうに声をかけた。
「どうしたの?」
「アンズが拐かされて殺されそうになった時、、、怖かったんだ」目を伏せて話す。
「、、、私も怖かった、、、」
アンズは思い出した。小屋に押し込められている時、一緒にご飯を食べて、笑って、遊んで、、、その日常が当たり前ではないことに気付いたことを。
そして、そんな大切な日常を一日でも長く続いたら良いと願った。
「お前はオレのことが好きか?」
「え、、、どうゆう、、、」
「好きだ」
思考が停止した。
何かが落ちた音がした。
落ちたのはさっきまでアンズが持っていた手鞠だった。
はっきりと聞こえていたのに、頭まで届かない。
頭まで届いた途端、顔がみるみる赤くなっていく。
「え、、、カタクリが、、、私を、、、?」
「そうだ」
真剣な眼差しをしながら言ったので、冗談や反応を面白がっているのではないと分かる、、、本気だ。
カタクリは言ってくれた。だから、そこで言わないアンズではない。
「わ、、、私も好きだよ、、、って恥ずかしい!!」 アンズは頬を赤らめた。告白する時は照れないって決めていたのに、恥ずかし過ぎて顔を隠してしまった。
(だって、、、告白するの、、、初めてだもん、、、)
自分に言い訳をしていると、カタクリがそっと顔を隠した手を退かす。
「やっぱり可愛い」優しく微笑むカタクリは、今まで見てきた中で一番、幸せそうな笑みを浮かべている。
「アンズ」
「、、、!!」
「、、、愛してる」
そして、カタクリはアンズへこの世の何よりも優しい口付けを落とした。