その日はよく晴れた日のことでした。
いつものように、教会の図書室の奥まった場所にある定置で一人で、本を読んでいると、教会のシスターが私を呼びに来たのでした。
「ルーナ、探しましたよ」
怖い声色でルーナに言ってくるシスター。
「少しいいかしら、あなたに会いたいと言っている方がいるそうよ」
しかし口調はあくまでも優しそうにしている。
(こんな私に会いたい人がいるの?)
不思議に思いつつも、シスターの声に答えるルーナ。
「はい、シスター今参ります」
シスターは、ルーナを待たず図書室の入口の扉に向かって歩いていく。
本棚に本を戻すと、急いでシスターの後に追いついていく。
図書室を出てから廊下を少し進み、左に曲がると、渡り廊下がある。
それを通ると、いつもは足を踏み入れない別館につながっている。
渡り廊下に出ると、遠くでシスターたちがルーナを見ており、歩いているルーナにまで聞こえる声で話している。
「あんなこの子のどこが良いのかしら?」
「きっと売られてしまうんだわ」
「誰も家族になんてなりたくないわよ」
「物珍しいだけよ」
ルーナは下を向き聞こえないふりをして歩き続けます。
しかしルーナも同じ考えなのでした。
(こんな物つきがある私に何の用事があるというのだろうか。もしかして、本当にシスターたちが言っていたそういうところに連れていかれてしまうのかもしれない)
そんなこと考えているうちに別館に足を踏み入れていたようで、いつもと違う見慣れない景色を歩きながら見渡す。
シスターがある部屋で立ち止まった。
どうやら目的の部屋に着いたようである。
いつもの扉とは違う、見慣れない立派な扉があり、シスターがその扉を開く。
身なりを整え、部屋の中にはいると、長いテーブルと椅子があり、いつもの部屋の内装と少し違うようである。
その中の一つの椅子に、一人の男性が座っていた。
「お待たせいたしました。例の者を連れて参りました」
シスターがそう告げると、そこにいた男性が椅子から立ち上がり、ルーナに挨拶をする。
「はじめまして」
その男性はルーナに優しく微笑んでくれて優しい雰囲気が伝わってくる。
年齢はルーナよりは随分上の年齢で三十代後半くらいにみえた、容姿は顔が細長く、少しふっくらとした体型をしていて、髪は銀色をしており、田舎町にはそぐわない綺麗な格好をしていた。
突然のことに驚き、その男性に会釈する。
「ルーナ、挨拶は?」
シスターに言われ、急いで挨拶をする。
「は、はじめまして、ルーナと申します」
緊張してしまい、声が上擦ってしまう。
「ルーナ、素敵な名前をしているね。あまり顔がよく見えないね」
そういうと、彼は私の顔にかかった髪を優しく退ける。
突然のことに驚き後ろに後ずさりをしてしまう。
後ろでその様子をみていたシスターも驚いた表情をしている。
見られてしまった、もうおしまいだ、ルーナはそう思った。
そう思っただけど彼は違った。
「君の瞳は綺麗な色をしているね」
ルーナの髪の毛で隠れていた、青い瞳が現れる。
慌ててルーナは、顔を後ろに背けると髪の毛でその青い瞳を隠す。
私の瞳を見ても彼は、恐れることはなく優しく微笑んでくれ、そして優しい言葉をくれた。
その瞬間、生まれて始めての感覚に襲われる。
その後、二人は部屋に残りシスターは部屋を出ていくと、椅子に座る。
「よろしくお願い致します」
「よろしくね」
二人きりになり、何故だかぎこちない空気が流れて緊張してしまう。
「改めまして、僕の名はシャルル・アルジェント」
「アルジェント様」
「君の年齢を聞いても良いかな?」
「十五歳でございます」
「そうなのだね。好きなこととかあるのかな?」
「本を読むことが好きでございます」
他愛のない話をある程度するとアルジェントは姿勢を正すと真剣な眼差しに変わるのがルーナにもわかった。
「ルーナ今日私がここに来た本当の目的はというと、君と家族になりたいと思ってやってきたんだ」
「かぞく?」
「そう、家族、君がよければ僕と家族になってくれないかい?」
突然のことに驚きを隠せないルーナ。
「わ、私でよろしいのですか?」
優しそうな表情で彼が答えてくれる。
「君がいいのだよ」
気持ちが迷ってしまう、彼がどんな人なのか、見た目は優しそうな容姿をしているが彼の本当の糸が読めないからである。
「突然のことで不安だし、驚いたよね。僕がどんな人か分からないまま、家族にはなれないよね。すまない。だから、今から僕について知ってもらいたいだ」
そういうと彼は、自分のことを教えてくれた。
シャルル・アルジェントという人物は、ここからずっと南の水の都フルスという場所に住んでおり、仕事は貴族相手に商売をしていて、そこそこよい家柄の出身なのだそう。
そんな彼が、私に出会ったのは、ある孤児院の交流会で私のことを見かけて気になっていたがどんな名前で何処に暮らしているのか分からずその日は、話せず終わってしまったという。
その後、懸命に私のことを調べ探し出すと、この教会にいることを知ったのだそう。
彼は結婚しておらず独り身だが使用人と共に暮らしているという、それでもよければ是非とも家族になりたいそうなのである。
「もしよろしければ、少し一人で考える時間もらうことは可能でございますか?」
「もちろんだよ」
ルーナはアルジェントにそう告げると椅子から立ち上がり部屋から出ていきました。
部屋から出ると中庭まで歩いていくとベンチに座り考えます。
花壇には、綺麗な花が咲いており、風で花が揺れています。
先ほどまで彼が言っていたことを簡単に説明すると、アルジェントという人物は、私の里親になってくれるということ。
この国では、結婚していなくても、ある程度の条件をクリアすれば里親として子供を迎えられるのである。
その制度が使える年齢は、十六歳まで。
そしてこの教会もこの制度が終わる、十六歳までに出ていかなくてはならないのである。
そして私は、今年で十五歳を迎えるため、あと少しでここを出なくてはいけないのである。
だから、これが最後の機会かもしれない、色んな場所を転々としてきた私に『家族になろう』と言ってくれた。
この瞳を見ても恐れる顔など見せずに、むしろ綺麗だと言ってくれた。
この世界の人々の瞳は、緑の瞳が多く、青の瞳は珍しい。
そんな私は、左右で瞳の色が違い、左目が青色、右目が緑色をしているのである。
そのため、関わる人は私の瞳を見ると、気味悪がられ、恐れられ、蔑まれきた。
ルーナは、瞳を閉じるとあの日々のことをルーナは思い出していた。
最初は、好奇心て近寄ってくる、そして何かがあるためび私の瞳のせいになる。
「ルーナが瞳で呪いをかけたんだ。だって、瞳の色が青いなんておかしいよー」
「見てみて、あの瞳の色、何かに呪われているみたい」
「本当だわ、何故青い瞳をしているの?変よね……」
ルーナに浴びせられる数々の言葉たち。
ルーナは、瞳を開ける。
彼になら私の残りの人生を捧げてもいいのかもしれない。
私、きめた、私は彼と家族になりたい。
ベンチから立ち上がると、強い風が吹き、ルーナの長く美しい黒髪を揺らす。
彼が待っている部屋に向かい、扉を開くと、彼は立っており窓の外を眺めていた。
私の存在に気づいたようで振り返ると、彼は椅子に座る。
続けてルーナも椅子に座る。
「どうやら決まったようだね」
ルーナは、一呼吸開け口を開く。
「はい、こんな私ですが、どうぞよろしくお願い致します」
「よかった、家族になってくれるのだね」
彼の顔がみるみるうちに顔が明るくなる。
嬉しい、その気持ちがルーナの心を包む。
やっと、やっとこの孤独から抜け出せるのだと思うと何とも言えない気持ちになる。
その日は、挨拶だけしてお別れすることになった。
「また来るよ。ルーナ」
「はい、またいらっしゃるのをお待ちしておりますね。アルジェント様」
そう彼に告げると、彼は馬車に乗り込む。
私は彼の目を見て名前を始めて呼ぶことが出来た。
何と表現すれば良いのか、恥ずかしいような嬉しいようなその感情が全部詰まっているように感じる。
ルーナは彼の乗る馬車を小さくなるまで見送ったのであった。
その日の夜、ルーナは一人ベッドの中で想像する彼とその使用人の人たちと過ごす素敵な生活の日々を……
いつものように、教会の図書室の奥まった場所にある定置で一人で、本を読んでいると、教会のシスターが私を呼びに来たのでした。
「ルーナ、探しましたよ」
怖い声色でルーナに言ってくるシスター。
「少しいいかしら、あなたに会いたいと言っている方がいるそうよ」
しかし口調はあくまでも優しそうにしている。
(こんな私に会いたい人がいるの?)
不思議に思いつつも、シスターの声に答えるルーナ。
「はい、シスター今参ります」
シスターは、ルーナを待たず図書室の入口の扉に向かって歩いていく。
本棚に本を戻すと、急いでシスターの後に追いついていく。
図書室を出てから廊下を少し進み、左に曲がると、渡り廊下がある。
それを通ると、いつもは足を踏み入れない別館につながっている。
渡り廊下に出ると、遠くでシスターたちがルーナを見ており、歩いているルーナにまで聞こえる声で話している。
「あんなこの子のどこが良いのかしら?」
「きっと売られてしまうんだわ」
「誰も家族になんてなりたくないわよ」
「物珍しいだけよ」
ルーナは下を向き聞こえないふりをして歩き続けます。
しかしルーナも同じ考えなのでした。
(こんな物つきがある私に何の用事があるというのだろうか。もしかして、本当にシスターたちが言っていたそういうところに連れていかれてしまうのかもしれない)
そんなこと考えているうちに別館に足を踏み入れていたようで、いつもと違う見慣れない景色を歩きながら見渡す。
シスターがある部屋で立ち止まった。
どうやら目的の部屋に着いたようである。
いつもの扉とは違う、見慣れない立派な扉があり、シスターがその扉を開く。
身なりを整え、部屋の中にはいると、長いテーブルと椅子があり、いつもの部屋の内装と少し違うようである。
その中の一つの椅子に、一人の男性が座っていた。
「お待たせいたしました。例の者を連れて参りました」
シスターがそう告げると、そこにいた男性が椅子から立ち上がり、ルーナに挨拶をする。
「はじめまして」
その男性はルーナに優しく微笑んでくれて優しい雰囲気が伝わってくる。
年齢はルーナよりは随分上の年齢で三十代後半くらいにみえた、容姿は顔が細長く、少しふっくらとした体型をしていて、髪は銀色をしており、田舎町にはそぐわない綺麗な格好をしていた。
突然のことに驚き、その男性に会釈する。
「ルーナ、挨拶は?」
シスターに言われ、急いで挨拶をする。
「は、はじめまして、ルーナと申します」
緊張してしまい、声が上擦ってしまう。
「ルーナ、素敵な名前をしているね。あまり顔がよく見えないね」
そういうと、彼は私の顔にかかった髪を優しく退ける。
突然のことに驚き後ろに後ずさりをしてしまう。
後ろでその様子をみていたシスターも驚いた表情をしている。
見られてしまった、もうおしまいだ、ルーナはそう思った。
そう思っただけど彼は違った。
「君の瞳は綺麗な色をしているね」
ルーナの髪の毛で隠れていた、青い瞳が現れる。
慌ててルーナは、顔を後ろに背けると髪の毛でその青い瞳を隠す。
私の瞳を見ても彼は、恐れることはなく優しく微笑んでくれ、そして優しい言葉をくれた。
その瞬間、生まれて始めての感覚に襲われる。
その後、二人は部屋に残りシスターは部屋を出ていくと、椅子に座る。
「よろしくお願い致します」
「よろしくね」
二人きりになり、何故だかぎこちない空気が流れて緊張してしまう。
「改めまして、僕の名はシャルル・アルジェント」
「アルジェント様」
「君の年齢を聞いても良いかな?」
「十五歳でございます」
「そうなのだね。好きなこととかあるのかな?」
「本を読むことが好きでございます」
他愛のない話をある程度するとアルジェントは姿勢を正すと真剣な眼差しに変わるのがルーナにもわかった。
「ルーナ今日私がここに来た本当の目的はというと、君と家族になりたいと思ってやってきたんだ」
「かぞく?」
「そう、家族、君がよければ僕と家族になってくれないかい?」
突然のことに驚きを隠せないルーナ。
「わ、私でよろしいのですか?」
優しそうな表情で彼が答えてくれる。
「君がいいのだよ」
気持ちが迷ってしまう、彼がどんな人なのか、見た目は優しそうな容姿をしているが彼の本当の糸が読めないからである。
「突然のことで不安だし、驚いたよね。僕がどんな人か分からないまま、家族にはなれないよね。すまない。だから、今から僕について知ってもらいたいだ」
そういうと彼は、自分のことを教えてくれた。
シャルル・アルジェントという人物は、ここからずっと南の水の都フルスという場所に住んでおり、仕事は貴族相手に商売をしていて、そこそこよい家柄の出身なのだそう。
そんな彼が、私に出会ったのは、ある孤児院の交流会で私のことを見かけて気になっていたがどんな名前で何処に暮らしているのか分からずその日は、話せず終わってしまったという。
その後、懸命に私のことを調べ探し出すと、この教会にいることを知ったのだそう。
彼は結婚しておらず独り身だが使用人と共に暮らしているという、それでもよければ是非とも家族になりたいそうなのである。
「もしよろしければ、少し一人で考える時間もらうことは可能でございますか?」
「もちろんだよ」
ルーナはアルジェントにそう告げると椅子から立ち上がり部屋から出ていきました。
部屋から出ると中庭まで歩いていくとベンチに座り考えます。
花壇には、綺麗な花が咲いており、風で花が揺れています。
先ほどまで彼が言っていたことを簡単に説明すると、アルジェントという人物は、私の里親になってくれるということ。
この国では、結婚していなくても、ある程度の条件をクリアすれば里親として子供を迎えられるのである。
その制度が使える年齢は、十六歳まで。
そしてこの教会もこの制度が終わる、十六歳までに出ていかなくてはならないのである。
そして私は、今年で十五歳を迎えるため、あと少しでここを出なくてはいけないのである。
だから、これが最後の機会かもしれない、色んな場所を転々としてきた私に『家族になろう』と言ってくれた。
この瞳を見ても恐れる顔など見せずに、むしろ綺麗だと言ってくれた。
この世界の人々の瞳は、緑の瞳が多く、青の瞳は珍しい。
そんな私は、左右で瞳の色が違い、左目が青色、右目が緑色をしているのである。
そのため、関わる人は私の瞳を見ると、気味悪がられ、恐れられ、蔑まれきた。
ルーナは、瞳を閉じるとあの日々のことをルーナは思い出していた。
最初は、好奇心て近寄ってくる、そして何かがあるためび私の瞳のせいになる。
「ルーナが瞳で呪いをかけたんだ。だって、瞳の色が青いなんておかしいよー」
「見てみて、あの瞳の色、何かに呪われているみたい」
「本当だわ、何故青い瞳をしているの?変よね……」
ルーナに浴びせられる数々の言葉たち。
ルーナは、瞳を開ける。
彼になら私の残りの人生を捧げてもいいのかもしれない。
私、きめた、私は彼と家族になりたい。
ベンチから立ち上がると、強い風が吹き、ルーナの長く美しい黒髪を揺らす。
彼が待っている部屋に向かい、扉を開くと、彼は立っており窓の外を眺めていた。
私の存在に気づいたようで振り返ると、彼は椅子に座る。
続けてルーナも椅子に座る。
「どうやら決まったようだね」
ルーナは、一呼吸開け口を開く。
「はい、こんな私ですが、どうぞよろしくお願い致します」
「よかった、家族になってくれるのだね」
彼の顔がみるみるうちに顔が明るくなる。
嬉しい、その気持ちがルーナの心を包む。
やっと、やっとこの孤独から抜け出せるのだと思うと何とも言えない気持ちになる。
その日は、挨拶だけしてお別れすることになった。
「また来るよ。ルーナ」
「はい、またいらっしゃるのをお待ちしておりますね。アルジェント様」
そう彼に告げると、彼は馬車に乗り込む。
私は彼の目を見て名前を始めて呼ぶことが出来た。
何と表現すれば良いのか、恥ずかしいような嬉しいようなその感情が全部詰まっているように感じる。
ルーナは彼の乗る馬車を小さくなるまで見送ったのであった。
その日の夜、ルーナは一人ベッドの中で想像する彼とその使用人の人たちと過ごす素敵な生活の日々を……