ルーナはその本を読み終えると、書庫の部屋から出ると、その部屋の鍵をかけた。
先ほど別の本の下に隠した『魔法の子』を持っている。
部屋に戻ると、その本を机の引き出しにしまう。
◇◆◇◆
季節は、少しずつ冬へと移り変わって行く。
外では粉雪が降っている。
この季節を迎えると、何故だかとても悲しい気持ちになる。
この季節といえば、クリスマスというものがある。
クリスマスというのは、イエス・キリストの誕生を祝う日なのだそう。
どんなことをするかと言うと、クリスマスツリーを飾り付け、贈り物を贈り合うのだそうだ。
その情報は、リリーさんが教えてくれたものなのだけれど……
一度教会でクリスマス?をやったことがある、あれがクリスマスだったのだと今、知ることになる。
ルーナは、今日も日記を書いている。
『この時期になると、クリスマスという記念日が近づいてくる。教会で一度体験したことがあるがその時の私は、楽しかったという記憶はなく、良くない記憶として残ってしまっている。今回のクリスマスは楽しいものに出来たら良いなあ』
日記帳を閉じると、ルーナは引き出しに閉まってある一冊の本を取り出す。
『魔法の子』、ずっとこの物語の続きを読んでみたいと思っている。
今度、エミリオさんにこの本があるか書店にあるか聞いてみよう。
ルーナは、引き出しに本を戻すと椅子から立ち上がると、クローゼットから暖かいそうな上着を羽織ると、部屋を出て階段を下り一階に行くと中庭に出ていく。
なぜ中庭に来たかというと雪を見に来たのである。
ここに来て初めての雪を見る。
ルーナは、手のひら上に向かって開くと空から雪落ちてきて手ひらで雪が溶けてゆく。
「綺麗ー」
雪を見て、綺麗だと思ったのは初めてのことだった。
後ろから足音が聞こえ、振り返るとシャルル様がこちらへ歩いてきている。
ルーナの隣でシャルルが立ち止まる。
「外は寒いのに何をしているのルーナ?」
ルーナは、シャルルの方を向き話す。
「雪を見ていました。こんなに雪が綺麗だと思いませんでした」
「そうだね。ルーナに良いものをみせてあげる」
シャルル様はそういうと、突然雪が止まった。
ルーナは、驚く様子を見せる。
そんなルーナを横目にシャルルは子供っぽく言った。
「時間を止めてみたんだ」
そういわれたので、ルーナは辺りを見渡す。
確かに時間が止まっている、空で飛んでいる鳥も屋敷の外で歩いている人も動いていない。
ルーナは、止まっている雪を触ってみると、何とも表現するのが難しい感触をしている。
シャルルがルーナに尋ねる。
「どうだい、触れてみて……」
「不思議な感触です。シャルル様も触ってみてください」
ルーナに言われてシャルルも触ってみる。
「確かに不思議な感触をしているね」
二人で十分に楽しむと、シャルルは、時間を止めている魔法を解くと先ほどまで止まっていたまた雪が降りだす。
「楽しかったですね。シャルル様」
「そうだね。ルーナ」
「ところで、シャルル様は、普段から魔法を使われるのですか?」
「時と場合によるけれど、使ったりすることもあるけれど、それがどうしたんだい?」
「もし私のような人間にも、シャルル様に魔法を習ったりしたら、魔法が使えるようになるのでしょうか?」
「ルーナは、魔法を使ってみたいのかい?」
「シャルル様の魔法を見てから少し興味をもちまして」
「そうだったんだね。でも残念ながら魔法が使える力の遺伝子をもっていないから僕が魔法を教えても魔法を使うことは出来ないんだ」
「そうなのですね」
ルーナは、残念がりながら悲しそうな表情をしている。
「僕が代わりに魔法を沢山ルーナにみせてあげるから」
「はい!」
ルーナの表情が明るくなり、笑顔になる。
「寒いからそろそろ中に戻ろうか」
二人は、並んで屋敷に戻るとシャルルがルーナの頭に乗っている雪を払い落としてくれる。
「あ、ありがとうございます」
何故だか、シャルル様のしてくれたことにルーナは恥ずかしくなってしまい、急いで自分で払い落とす。
「では、私は部屋に戻ります」
そういうと、ルーナは足早に階段を上ると部屋に戻っていく。
「あ、ルーナ」
シャルルが話しかけようと声かける間もなく、ルーナが部屋に戻ってしまい、呆然と立ち尽くしてしまう。
シャルルもしばらくして、書斎に戻る。
ルーナは部屋に戻り扉を閉めると、扉の前でへたりこんでしまう。
先ほどの感情は何だったのだろうか?
初めて感じるこの感覚にルーナは戸惑ってしまう。
しばらくして、ルーナは椅子に座りこの感情を紛らすために本を読むことにする。
以前、シャルル様と共に見た紅葉の押し花を本の栞として使っている。
しかし、本に集中することが出来ないルーナ。
「どうして、先ほどのことばかり考えてしまうの……」
その後は、夕食を済ませるとベッドに入り眠りについた。
◆◇◆◇
翌日、眠りからルーナが覚ます。
扉のノックする音が聞こえる。
「リナーでございます。朝の支度のお手伝いに参りました」
ルーナは、ゆっくりとした足取りで扉へ向かっていく。
「はい、今開けます」
「おはようございますルーナ様、どうなさったのですか、顔色があまりよろしくありませんが……」
リナーはルーナの顔を見るなり心配の顔を見せる。
「だ、大丈夫ですよ、リナーさん、少し眠れなかっただけですので」
「でしたら、もう少しお休みになった方がよろしいかと」
「そうですね、そうしますリナーさん」
ルーナは、リナーに支えてもらいながら、ベッドに横になる。
リナーは、机にあった本に当たってしまい本を落としてしまう。
本に挟まっていた紅葉の栞が本から外れてしまう。
リナーは本を拾い上げる。
「この、紅葉の栞」
「どうしたのですか?リナーさん」
「ルーナ様、珍しい紅葉をお持ちなんですね」
「珍しい紅葉?」
「はい、この紅葉は魔法界のある場所にある、並木道に立っている樹からしか取れない珍しいものでして」
「そうなのですね。知りませんでした」
「そしてこの紅葉には特殊な力が宿っており、自分の意思とは関係なく突然異性のことが気になってしまうという力があるのです」
「それは、消す方法を知りませんか?」
「申し訳ございません、私の力では消すことが出来ません」
「そうですか」
ルーナは、残念な気持ちになる。
「でしたら、シャルル様に頼んでみてはいかがでしょうか?」
本当は、シャルル様のことが気になっているなんて言えないし、ここはどうにかして言い訳をしなくては……
「シャルル様に……、しかしいつも頼ってばかりなのは申し訳ないですし……」
「それならば、エドモンドさんに頼んでみてはいかがでしょうか?」
ルーナの顔が明るくなる。
「では、早速エドモンドさんに頼んでみます」
しかし、ルーナはベッドから下りようとするところをリナーに止められてしまう。
「まずはお休みになってからでございますよ、ルーナ様」
「はい」
ルーナは、渋々ベッドに戻る。
「では、私はこれで失礼いたします」
「リナーさんありがとうございました」
「いえそれでは」
リナーが部屋から出ていき、扉が閉められる。
ルーナは、天井を眺めて、考える。
少しすると、眠気が襲ってくる。
◆◇◆◇
目を覚ますと、外は少し暗くなっていた。
ずいぶん眠ってしまったようだ。
ルーナは、ベッドから起き上がると、服を着替え、紅葉の栞をもち、エドモンドのもとへ向かう。
ルーナは、一階に下り廊下を歩き、端にある部屋の前で足を止め、身なりを整えると扉をノックする。
すると、扉が開かれエドモンドさんが出てきた。
「はい、ただいま」
エドモンドは少し驚いた様子でルーナをみた。
「どうなさいましたか。ルーナ様」
ルーナは少し緊張気味になりながらエドモンドに尋ねる。
「実は、エドモンドさんにお話ししたいことがありまして…」
エドモンドさんは突然の訪問にも関わらず、部屋に快く入れてくれた。
「どうぞ、ルーナ様」
「失礼いたします」
初めてエドモンドさんの部屋に入ったのだか、ベッドに机、棚があり、綺麗に整理されていて、不要なものは置かれていない部屋だった。
ルーナは、椅子に座ると、早速エドモンドに尋ねる。
「実は、以前シャルル様の魔法で紅葉の樹がなっている並木道に行きました。そこで記念にと思い持って帰ってきたこの紅葉なのですが…」
ルーナはエドモンドに紅葉の栞を見せる。
「おお、これは珍しい物をお持ちでございますね。これがどうなさったのですか?」
「リナーさんにこの紅葉の葉が取れるのは、魔法界のある場所にある樹からということ、そしてこの紅葉の葉には特殊な力が宿っていて、突然異性が気になってしまうと聞いたのですが、そのもしかしたらなのですが、私もその力に影響されてしまったのではと思いまして、エドモンドさんは、魔法を使えるのでその力を消すことが出きるのではと思いまして……」
「ルーナ様はその力を消したいということですか?」
「はい、そういうことです」
「何故、消したいのでございますか?」
何故、消したいのか、そう言われてしまうと、何と言えば良いのだろうか。
「何故かと言われるとそれは魔法の力であって、本当の自分の気持ちではないと思うからです」
「そうでございますか。本当によろしいのですね」
「はい」
「では、その栞をお貸しいただいてもよろしいでございますか?」
ルーナは、エドモンドに紅葉の栞を渡す。
エドモンドはその栞をみると、何らや呪文を唱え出す。
「魔法が解けているかのか自信がございませんが、私なりにやらせていただきました」
「ありがとうございます。エドモンドさん」
「では、お返しします」
ルーナはエドモンドから紅葉の栞を返される。
「あのエドモンドさん、この事はシャルル様には秘密にしておいてくださりたいのですが」
「承知しました。秘密にしておきますゆえ」
「ありがとうございます。では、私はそろそろ部屋に戻ります。本当にありがとうございました」
ルーナは、椅子から立ち上がり、エドモンドに挨拶をすると部屋を出る前に扉の前で会釈すると、エドモンドも返してくれた。
ルーナは、ゆっくりと廊下を歩いて行く。
ルーナは、先ほどのことを思いだし考える、気になるというのは、その人のことを考える?
それはつまり、心配になるということ?
でも何故あの時、恥ずかしいという感情になったのだろうと立ち止まり考えるルーナであった。
先ほど別の本の下に隠した『魔法の子』を持っている。
部屋に戻ると、その本を机の引き出しにしまう。
◇◆◇◆
季節は、少しずつ冬へと移り変わって行く。
外では粉雪が降っている。
この季節を迎えると、何故だかとても悲しい気持ちになる。
この季節といえば、クリスマスというものがある。
クリスマスというのは、イエス・キリストの誕生を祝う日なのだそう。
どんなことをするかと言うと、クリスマスツリーを飾り付け、贈り物を贈り合うのだそうだ。
その情報は、リリーさんが教えてくれたものなのだけれど……
一度教会でクリスマス?をやったことがある、あれがクリスマスだったのだと今、知ることになる。
ルーナは、今日も日記を書いている。
『この時期になると、クリスマスという記念日が近づいてくる。教会で一度体験したことがあるがその時の私は、楽しかったという記憶はなく、良くない記憶として残ってしまっている。今回のクリスマスは楽しいものに出来たら良いなあ』
日記帳を閉じると、ルーナは引き出しに閉まってある一冊の本を取り出す。
『魔法の子』、ずっとこの物語の続きを読んでみたいと思っている。
今度、エミリオさんにこの本があるか書店にあるか聞いてみよう。
ルーナは、引き出しに本を戻すと椅子から立ち上がると、クローゼットから暖かいそうな上着を羽織ると、部屋を出て階段を下り一階に行くと中庭に出ていく。
なぜ中庭に来たかというと雪を見に来たのである。
ここに来て初めての雪を見る。
ルーナは、手のひら上に向かって開くと空から雪落ちてきて手ひらで雪が溶けてゆく。
「綺麗ー」
雪を見て、綺麗だと思ったのは初めてのことだった。
後ろから足音が聞こえ、振り返るとシャルル様がこちらへ歩いてきている。
ルーナの隣でシャルルが立ち止まる。
「外は寒いのに何をしているのルーナ?」
ルーナは、シャルルの方を向き話す。
「雪を見ていました。こんなに雪が綺麗だと思いませんでした」
「そうだね。ルーナに良いものをみせてあげる」
シャルル様はそういうと、突然雪が止まった。
ルーナは、驚く様子を見せる。
そんなルーナを横目にシャルルは子供っぽく言った。
「時間を止めてみたんだ」
そういわれたので、ルーナは辺りを見渡す。
確かに時間が止まっている、空で飛んでいる鳥も屋敷の外で歩いている人も動いていない。
ルーナは、止まっている雪を触ってみると、何とも表現するのが難しい感触をしている。
シャルルがルーナに尋ねる。
「どうだい、触れてみて……」
「不思議な感触です。シャルル様も触ってみてください」
ルーナに言われてシャルルも触ってみる。
「確かに不思議な感触をしているね」
二人で十分に楽しむと、シャルルは、時間を止めている魔法を解くと先ほどまで止まっていたまた雪が降りだす。
「楽しかったですね。シャルル様」
「そうだね。ルーナ」
「ところで、シャルル様は、普段から魔法を使われるのですか?」
「時と場合によるけれど、使ったりすることもあるけれど、それがどうしたんだい?」
「もし私のような人間にも、シャルル様に魔法を習ったりしたら、魔法が使えるようになるのでしょうか?」
「ルーナは、魔法を使ってみたいのかい?」
「シャルル様の魔法を見てから少し興味をもちまして」
「そうだったんだね。でも残念ながら魔法が使える力の遺伝子をもっていないから僕が魔法を教えても魔法を使うことは出来ないんだ」
「そうなのですね」
ルーナは、残念がりながら悲しそうな表情をしている。
「僕が代わりに魔法を沢山ルーナにみせてあげるから」
「はい!」
ルーナの表情が明るくなり、笑顔になる。
「寒いからそろそろ中に戻ろうか」
二人は、並んで屋敷に戻るとシャルルがルーナの頭に乗っている雪を払い落としてくれる。
「あ、ありがとうございます」
何故だか、シャルル様のしてくれたことにルーナは恥ずかしくなってしまい、急いで自分で払い落とす。
「では、私は部屋に戻ります」
そういうと、ルーナは足早に階段を上ると部屋に戻っていく。
「あ、ルーナ」
シャルルが話しかけようと声かける間もなく、ルーナが部屋に戻ってしまい、呆然と立ち尽くしてしまう。
シャルルもしばらくして、書斎に戻る。
ルーナは部屋に戻り扉を閉めると、扉の前でへたりこんでしまう。
先ほどの感情は何だったのだろうか?
初めて感じるこの感覚にルーナは戸惑ってしまう。
しばらくして、ルーナは椅子に座りこの感情を紛らすために本を読むことにする。
以前、シャルル様と共に見た紅葉の押し花を本の栞として使っている。
しかし、本に集中することが出来ないルーナ。
「どうして、先ほどのことばかり考えてしまうの……」
その後は、夕食を済ませるとベッドに入り眠りについた。
◆◇◆◇
翌日、眠りからルーナが覚ます。
扉のノックする音が聞こえる。
「リナーでございます。朝の支度のお手伝いに参りました」
ルーナは、ゆっくりとした足取りで扉へ向かっていく。
「はい、今開けます」
「おはようございますルーナ様、どうなさったのですか、顔色があまりよろしくありませんが……」
リナーはルーナの顔を見るなり心配の顔を見せる。
「だ、大丈夫ですよ、リナーさん、少し眠れなかっただけですので」
「でしたら、もう少しお休みになった方がよろしいかと」
「そうですね、そうしますリナーさん」
ルーナは、リナーに支えてもらいながら、ベッドに横になる。
リナーは、机にあった本に当たってしまい本を落としてしまう。
本に挟まっていた紅葉の栞が本から外れてしまう。
リナーは本を拾い上げる。
「この、紅葉の栞」
「どうしたのですか?リナーさん」
「ルーナ様、珍しい紅葉をお持ちなんですね」
「珍しい紅葉?」
「はい、この紅葉は魔法界のある場所にある、並木道に立っている樹からしか取れない珍しいものでして」
「そうなのですね。知りませんでした」
「そしてこの紅葉には特殊な力が宿っており、自分の意思とは関係なく突然異性のことが気になってしまうという力があるのです」
「それは、消す方法を知りませんか?」
「申し訳ございません、私の力では消すことが出来ません」
「そうですか」
ルーナは、残念な気持ちになる。
「でしたら、シャルル様に頼んでみてはいかがでしょうか?」
本当は、シャルル様のことが気になっているなんて言えないし、ここはどうにかして言い訳をしなくては……
「シャルル様に……、しかしいつも頼ってばかりなのは申し訳ないですし……」
「それならば、エドモンドさんに頼んでみてはいかがでしょうか?」
ルーナの顔が明るくなる。
「では、早速エドモンドさんに頼んでみます」
しかし、ルーナはベッドから下りようとするところをリナーに止められてしまう。
「まずはお休みになってからでございますよ、ルーナ様」
「はい」
ルーナは、渋々ベッドに戻る。
「では、私はこれで失礼いたします」
「リナーさんありがとうございました」
「いえそれでは」
リナーが部屋から出ていき、扉が閉められる。
ルーナは、天井を眺めて、考える。
少しすると、眠気が襲ってくる。
◆◇◆◇
目を覚ますと、外は少し暗くなっていた。
ずいぶん眠ってしまったようだ。
ルーナは、ベッドから起き上がると、服を着替え、紅葉の栞をもち、エドモンドのもとへ向かう。
ルーナは、一階に下り廊下を歩き、端にある部屋の前で足を止め、身なりを整えると扉をノックする。
すると、扉が開かれエドモンドさんが出てきた。
「はい、ただいま」
エドモンドは少し驚いた様子でルーナをみた。
「どうなさいましたか。ルーナ様」
ルーナは少し緊張気味になりながらエドモンドに尋ねる。
「実は、エドモンドさんにお話ししたいことがありまして…」
エドモンドさんは突然の訪問にも関わらず、部屋に快く入れてくれた。
「どうぞ、ルーナ様」
「失礼いたします」
初めてエドモンドさんの部屋に入ったのだか、ベッドに机、棚があり、綺麗に整理されていて、不要なものは置かれていない部屋だった。
ルーナは、椅子に座ると、早速エドモンドに尋ねる。
「実は、以前シャルル様の魔法で紅葉の樹がなっている並木道に行きました。そこで記念にと思い持って帰ってきたこの紅葉なのですが…」
ルーナはエドモンドに紅葉の栞を見せる。
「おお、これは珍しい物をお持ちでございますね。これがどうなさったのですか?」
「リナーさんにこの紅葉の葉が取れるのは、魔法界のある場所にある樹からということ、そしてこの紅葉の葉には特殊な力が宿っていて、突然異性が気になってしまうと聞いたのですが、そのもしかしたらなのですが、私もその力に影響されてしまったのではと思いまして、エドモンドさんは、魔法を使えるのでその力を消すことが出きるのではと思いまして……」
「ルーナ様はその力を消したいということですか?」
「はい、そういうことです」
「何故、消したいのでございますか?」
何故、消したいのか、そう言われてしまうと、何と言えば良いのだろうか。
「何故かと言われるとそれは魔法の力であって、本当の自分の気持ちではないと思うからです」
「そうでございますか。本当によろしいのですね」
「はい」
「では、その栞をお貸しいただいてもよろしいでございますか?」
ルーナは、エドモンドに紅葉の栞を渡す。
エドモンドはその栞をみると、何らや呪文を唱え出す。
「魔法が解けているかのか自信がございませんが、私なりにやらせていただきました」
「ありがとうございます。エドモンドさん」
「では、お返しします」
ルーナはエドモンドから紅葉の栞を返される。
「あのエドモンドさん、この事はシャルル様には秘密にしておいてくださりたいのですが」
「承知しました。秘密にしておきますゆえ」
「ありがとうございます。では、私はそろそろ部屋に戻ります。本当にありがとうございました」
ルーナは、椅子から立ち上がり、エドモンドに挨拶をすると部屋を出る前に扉の前で会釈すると、エドモンドも返してくれた。
ルーナは、ゆっくりと廊下を歩いて行く。
ルーナは、先ほどのことを思いだし考える、気になるというのは、その人のことを考える?
それはつまり、心配になるということ?
でも何故あの時、恥ずかしいという感情になったのだろうと立ち止まり考えるルーナであった。