あの件があって以来、シャルルはルーナに対して少しいやかなり、過保護になった気がするとルーナは感じていた。
何かある度にルーナのことを以前よりももっと心配してくれるようになったシャルル。
とても嬉しい気持ちにもなり有り難いのだが、以前も心配はしてくれていたのだがそこまでではなかったのでそのように接してほしいというのがルーナの本音ではあるのだけれど……
今日は、一人で書庫に来ていた。
今日も素敵な本に出会えた。
シャルル様はというと、仕事の用事があるため外出しているのである。
ルーナは、首に掛けてあるネックレスを外して、ネックレスをみる。
以前に比べて、このネックレスにかかっている魔法も強いものになったように思う。
(私だけが思っていることなので気のせいなのかもしれないけれど……)
扉を誰かがノックする。
「ルーナ様、リナ―でございます。紅茶をお持ちいたしました」
「はい。今、開けますね」
扉を開けると、リナーさんがお茶とお菓子を持ってきてくれたのである。
テーブルにリナ―さんが置いてくれる。
「ありがとうございますリナーさん。リナーさんもご一緒にどうですか?」
「ですが私は、使用人の立場ですので…」
「そんなことは、関係ありませんよ」
「ですが……」
ルーナは、リナーの手を取り、椅子に座らせる。
「一人で楽しむより、誰かと一緒に楽しんだ方が倍に楽しいと私は思うのですよ」
「そうでございますね。ルーナ様」
「さあ、頂きましょう。リナーさん」
ルーナが紅茶を一口飲むと、続けてリナーも一口飲む。
「美味しいでございますね」
「そうでございますね。ルーナ様」
「どうぞ、リナーさん」
「いただきますね。ルーナ様」
ルーナがリナ―にマカロンを渡す。
「ありがとうございます。ルーナ様」
ルーナがマカロンを一口食べる、続けてリナーも食べる。
「美味しいですね。リナーさん」
「そうでございますね。ルーナ様」
ルーナとリナーは、この時間を二人で楽しむ。
ルーナはリナーの楽しそうな表情を見て、嬉しくなる。
「美味しかったですね。今度は、リリーさんと三人でお茶会をしたいですね」
「そうでございますね。それは楽しそうでございますね」
「きっと、楽しいものになると思いますよ」
「ところで、ルーナ様ずっと気になっていたことがあるのですが…」
「何ですか、何でも仰ってください」
「何故、使用人の私たちにそこまで優しく接してくださるのですか」
「何故かそれは、それは私のことを受け入れてくださったではありませんか」
「え…それはどういうことでしょうか?」
「私は、とても嬉しかったのでございます。ここに来るまでの私は、親もおらず教会で育ってきました。そしてこの瞳のせいで恐れられ、そして蔑まれてきました。ですがここに来てリナーさんやリリーさん、そしてエドモンドさんに出会ったときに私のこの青色の瞳を見ても恐れた顔をしなかったのです。こんなに嬉しい気持ちになったのは、始めてのことでした」
「そうだったのでございますね」
リナーはシャルルから教会で孤児として育てられていたことは知ってはいたもののルーナの置かれていた状況をはじめて知るであった。
「それにリナーさん、使用人だからといって下にみられることがあっても良いと私は思いません。上とか下とか身分とか家柄とか、関係ないのですよ。皆、同じ人間なのですから、ただそういう階級があるだけで、そういうものを無くして、ただ自分のことを理解してくれる人、その人がどんな位置にいても優しさと理解してくれるこの気持ちさえ持ち合わせていればいいのですよ。それとも、権力や地位を振りかざす人をリナーさんは好きになれますか?」
「いいえ、なれないでございますね」
「だからリナーさん、こんな私ではありますがこれからもよろしくお願い致しますね」
「はい、こちらこそよろしくお願いいたしますルーナ様」
ルーナとリナーは二人で微笑みあうのでした。
その後、リナ―はテーブルに置いてある、食器を片付ける。
「では、私はこれで失礼いたします」
「はい、用意してくださりありがとうございました」
ルーナが急いで扉を開ける。
「ありがとうございます。ルーナ様」
「失礼いたします」
ルーナにリリーは会釈をすると、リリーにルーナも会釈を返す。
扉が閉まり、リナ―はルーナ様に言われた言葉を思い出す。
あんな言葉を言ってくださったのは、シャルル様以来ではないだろうか。
「僕はね、魔法が使える、使えないという基準で君たち姉妹は選んだわけではないよ。 ただ僕は君たちがいいと心からそう思ったから選んだということを忘れないでいてほしい」
やはりシャルル様の見る目は他の方々と違うとリナ―は思うのであった。
ルーナは、扉を閉めると再び椅子に座り、先ほどの本を持ちページを開くと、続きを読み始める。
時間が刻々と過ぎていく。
ルーナはすっかり本に夢中になってしまい、ふと外がすっかり暗くなっているのに気がつく。
ルーナは、立ち上がり棚に置いてあるランタンに灯りをつけると再び本の続きを読み始める。
次第に眠気が襲ってくるのを必死に抑えるのだが堪えられずルーナは本を開いたまま眠ってしまう。
しばらくすると誰かが扉のノックする。
しかし、部屋の中からは返事がない。
扉が開かれると、それはシャルルであった。
シャルルは静かに部屋に入ってみるとそこにはなんとルーナが机の上で横向きに伏せて眠っている。
ルーナの横顔をシャルルは、眺めている。
それをみるシャルルの表情は、とても愛おしいものを見る顔をしていた。
「う、うーん」
ルーナが目を覚ました。
ルーナがシャルルを見上げる。
まだ少し眠たそうな声でシャルルに話しかける。
「帰っていらしたのですね。おかえりなさいませシャルル様」
「ああ帰ったよ、ルーナ」
まだ少し寝ぼけたようすのルーナ。
「もう少しで、夕食の準備が出来るそうだよ」
「そうでございますか、では参りましょう」
ルーナは、椅子から立ち上がり本を棚に戻すと、シャルルと共に部屋を出た。
その後は食事を終えると、自分の部屋に戻り、パジャマに着替えると、日記を書き終えるとベッドに向かい眠りについた。
何かある度にルーナのことを以前よりももっと心配してくれるようになったシャルル。
とても嬉しい気持ちにもなり有り難いのだが、以前も心配はしてくれていたのだがそこまでではなかったのでそのように接してほしいというのがルーナの本音ではあるのだけれど……
今日は、一人で書庫に来ていた。
今日も素敵な本に出会えた。
シャルル様はというと、仕事の用事があるため外出しているのである。
ルーナは、首に掛けてあるネックレスを外して、ネックレスをみる。
以前に比べて、このネックレスにかかっている魔法も強いものになったように思う。
(私だけが思っていることなので気のせいなのかもしれないけれど……)
扉を誰かがノックする。
「ルーナ様、リナ―でございます。紅茶をお持ちいたしました」
「はい。今、開けますね」
扉を開けると、リナーさんがお茶とお菓子を持ってきてくれたのである。
テーブルにリナ―さんが置いてくれる。
「ありがとうございますリナーさん。リナーさんもご一緒にどうですか?」
「ですが私は、使用人の立場ですので…」
「そんなことは、関係ありませんよ」
「ですが……」
ルーナは、リナーの手を取り、椅子に座らせる。
「一人で楽しむより、誰かと一緒に楽しんだ方が倍に楽しいと私は思うのですよ」
「そうでございますね。ルーナ様」
「さあ、頂きましょう。リナーさん」
ルーナが紅茶を一口飲むと、続けてリナーも一口飲む。
「美味しいでございますね」
「そうでございますね。ルーナ様」
「どうぞ、リナーさん」
「いただきますね。ルーナ様」
ルーナがリナ―にマカロンを渡す。
「ありがとうございます。ルーナ様」
ルーナがマカロンを一口食べる、続けてリナーも食べる。
「美味しいですね。リナーさん」
「そうでございますね。ルーナ様」
ルーナとリナーは、この時間を二人で楽しむ。
ルーナはリナーの楽しそうな表情を見て、嬉しくなる。
「美味しかったですね。今度は、リリーさんと三人でお茶会をしたいですね」
「そうでございますね。それは楽しそうでございますね」
「きっと、楽しいものになると思いますよ」
「ところで、ルーナ様ずっと気になっていたことがあるのですが…」
「何ですか、何でも仰ってください」
「何故、使用人の私たちにそこまで優しく接してくださるのですか」
「何故かそれは、それは私のことを受け入れてくださったではありませんか」
「え…それはどういうことでしょうか?」
「私は、とても嬉しかったのでございます。ここに来るまでの私は、親もおらず教会で育ってきました。そしてこの瞳のせいで恐れられ、そして蔑まれてきました。ですがここに来てリナーさんやリリーさん、そしてエドモンドさんに出会ったときに私のこの青色の瞳を見ても恐れた顔をしなかったのです。こんなに嬉しい気持ちになったのは、始めてのことでした」
「そうだったのでございますね」
リナーはシャルルから教会で孤児として育てられていたことは知ってはいたもののルーナの置かれていた状況をはじめて知るであった。
「それにリナーさん、使用人だからといって下にみられることがあっても良いと私は思いません。上とか下とか身分とか家柄とか、関係ないのですよ。皆、同じ人間なのですから、ただそういう階級があるだけで、そういうものを無くして、ただ自分のことを理解してくれる人、その人がどんな位置にいても優しさと理解してくれるこの気持ちさえ持ち合わせていればいいのですよ。それとも、権力や地位を振りかざす人をリナーさんは好きになれますか?」
「いいえ、なれないでございますね」
「だからリナーさん、こんな私ではありますがこれからもよろしくお願い致しますね」
「はい、こちらこそよろしくお願いいたしますルーナ様」
ルーナとリナーは二人で微笑みあうのでした。
その後、リナ―はテーブルに置いてある、食器を片付ける。
「では、私はこれで失礼いたします」
「はい、用意してくださりありがとうございました」
ルーナが急いで扉を開ける。
「ありがとうございます。ルーナ様」
「失礼いたします」
ルーナにリリーは会釈をすると、リリーにルーナも会釈を返す。
扉が閉まり、リナ―はルーナ様に言われた言葉を思い出す。
あんな言葉を言ってくださったのは、シャルル様以来ではないだろうか。
「僕はね、魔法が使える、使えないという基準で君たち姉妹は選んだわけではないよ。 ただ僕は君たちがいいと心からそう思ったから選んだということを忘れないでいてほしい」
やはりシャルル様の見る目は他の方々と違うとリナ―は思うのであった。
ルーナは、扉を閉めると再び椅子に座り、先ほどの本を持ちページを開くと、続きを読み始める。
時間が刻々と過ぎていく。
ルーナはすっかり本に夢中になってしまい、ふと外がすっかり暗くなっているのに気がつく。
ルーナは、立ち上がり棚に置いてあるランタンに灯りをつけると再び本の続きを読み始める。
次第に眠気が襲ってくるのを必死に抑えるのだが堪えられずルーナは本を開いたまま眠ってしまう。
しばらくすると誰かが扉のノックする。
しかし、部屋の中からは返事がない。
扉が開かれると、それはシャルルであった。
シャルルは静かに部屋に入ってみるとそこにはなんとルーナが机の上で横向きに伏せて眠っている。
ルーナの横顔をシャルルは、眺めている。
それをみるシャルルの表情は、とても愛おしいものを見る顔をしていた。
「う、うーん」
ルーナが目を覚ました。
ルーナがシャルルを見上げる。
まだ少し眠たそうな声でシャルルに話しかける。
「帰っていらしたのですね。おかえりなさいませシャルル様」
「ああ帰ったよ、ルーナ」
まだ少し寝ぼけたようすのルーナ。
「もう少しで、夕食の準備が出来るそうだよ」
「そうでございますか、では参りましょう」
ルーナは、椅子から立ち上がり本を棚に戻すと、シャルルと共に部屋を出た。
その後は食事を終えると、自分の部屋に戻り、パジャマに着替えると、日記を書き終えるとベッドに向かい眠りについた。