シャルルは書店の中にある長椅子に座っていて、ルーナが膝枕をされて眠っています。
(目覚めると、そこはあの書店であった。シャルル様の膝の上で眠っていたようである)
膝には膝掛けが掛かっていた。
シャルルは、ルーナが目覚めたのに気がつく。
ルーナはシャルルの顔を見ると、優しそうな申し訳なさそうな、そんな顔でルーナを見ている。
「シャルル様」
ルーナはシャルルの顔見て安心したのか起き上がり、シャルルに勢いよく抱きつく。
「怖かったよ、シャルル様」
緊張の糸が切れたのかルーナは泣き出してしまう。
止まらない涙たち、その姿はまるで小さな子供のように大きな声で泣き出してしまうルーナ。
シャルルは、突然のルーナのそんな姿にとても驚いたようであった。
(それでも、シャルル様は優しくそのまま私を抱き締め続けてくれていた)
その二人の姿を本棚に寄りかかりながらエミリオが見ていました。
その後しばらく、泣いていたのだが、いつの間にか疲れて眠ってしまったルーナ。
シャルルは、眠っているルーナの髪の毛を優しく撫でる。
「すまない。ルーナ、こんな思いをさせて」
シャルルとルーナはしばらくの間、二人の時間を過ごしたのでした。
シャルルは、立ち上がるとルーナをお姫様抱っこで抱き上げます。
「エミリオ、そろそろ僕達は戻ることにするよ」
シャルルの声を聞いて、奥からエミリオがやって来きます。
「そうか、また来いよ。シャルル」
「ああ、また来るよ、エミリオ。次はルーナが元気になったらな」
シャルルが呪文を唱えると、次の瞬間シャルルとルーナは書店から煙のように姿を消したのでした。
◆◇◆◇
ルーナが部屋のベッドで眠っている。
その近くの椅子に座ったシャルルがルーナの眠っている姿を眺めている。
(いつになったら目を覚ますんだ、ルーナ)
ルーナの顔を見ながら、心配の表情を浮かべるシャルル。
次の日。
今日もシャルルは、ルーナの側にいたのでした。
ルーナが目を覚ました。
近くには、シャルルが椅子に座っていた。
シャルルが、ルーナが目覚めたことに気付き、近くに寄ってくる。
「ようやく、目覚めたんだね。ルーナ」
(シャルル様は、悲しそうな表情をしている)
ルーナが起き上がろうとすると、シャルルは、それを止めたのでした。
「横になったままでいいよ」
ルーナは、また横の体制に戻ります。
「僕は、皆にルーナが起きたことを伝えてくるから、楽にしているといい。また戻ってくるから」
そういうと、シャルルは部屋から出ていったのでした。
ルーナはあの本の世界での出来事を思い出していた。
(ドラゴンとシャルル様が戦う中どうにか離れないようにしていたのだが、突然青色の光りが差し込んだ所で、記憶が切れてしまっている。あのあと、どうなったのだろうか?)
あとでシャルル様に聞いてみよう。
その後、少しするとまたシャルルが戻ってきました。
シャルル様によると私は屋敷に戻ると、二日間目を覚まさなかったのだという。
あの後、あの本は魔法監理局の人に渡されたそうである。
あの本は、最初から禁書ではなく、もともと普通の本として販売されていたのだが、誰かの手により、話が書き換えられてしまったのだという。
そのため禁書に変わってしまったのである。
禁書というのは、閲覧することを禁止されてしまった本のことを言うのだそう。
もちろん、シャルル様に教えてもらった。
『ドラゴン姫と勇者』の本当の物語は、姫が怒り、ドラゴンに変わったという物語ではなく。
偽物の勇者、つまりドラゴンが勇者に化けてドラゴンを倒したと王様に説明したことは嘘であり、その事が王様にバレてしまった偽物の勇者はドラゴンに変わり、姫をさらってしまう。
そのドラゴンから姫を助けるために本物の勇者現れて、姫を助けに行き、見事その勇者は、ドラゴンを倒すことに成功し、城へ戻ってくる。
そしてその後二人は、惹かれあい幸せに暮らすというハッピーエンドの物語なのである。
そんな素敵な物語を滅茶苦茶にするなんて、どんな人が手を加えたのだろうか。
あの本の中に入って、不思議な体験をしたたりして、もちろん怖かったけれど、シャルル様が必ず迎えに来てくれると、そう思うと何故だか心が少し軽くなれた。
だから最後まで諦めずドラゴンと戦えたのかもしれないと感じるルーナ。
エミリオさんに体調が戻り次第お礼を言わなければ……
そんなことを思うルーナなのであった。
◆◇◆◇
時間を少し戻して、現在。
シャルルがベッドの端に座っている。
「ルーナ、体調はどうだい?」
「はい、随分楽になりました」
「それはよかった」
「シャルル様、迷惑をかけて申し訳ありませんでした」
「ルーナのせいではないのだから」
「しかし……」
シャルル様は首を横に震う。
「はい」
優しく包み込むように優しい言葉を私にかけてくれるシャルル様。
「一つシャルル様に、聞きたいことがあるのですが、確かあの時、青い光りが差したのを見たのですがあれは、何だったのかご存じですか?」
「おそらく、エミリオの魔法じゃないかな?」
「そうですか」
先ほど異なり、話をすぐにそらされてしまう。
不思議に思いつつも話を聞く。
「ところで、ルーナ忘れ物はないかい?」
「え?忘れ物?何でございますか?」
突然言われて、辺りを見渡す。
シャルル様が意地悪ぽく微笑む。
「ほらこれ」
すると、シャルル様は手を広げ、中に入っていたものを見せてくれる。
そこには、青色の月の形のネックレスがあった。
「あ、」
首を触る、いつの間に外れてしまったのだろうか?
「後ろを向いて」
シャルル様に言われ、髪を持ち上げると、ネックレスを着けてくれた。
「もう失くさないようにね、ルーナ」
「はい、シャルル様、大切に失くさないようにします」
ルーナは、首に着いているネックレスを強く握りしめる。
失くさないように、失わないように大切に持っていよう。
だってこれは、私の存在を認めてくれた大切な人が贈ってくれた、大切な贈り物なのだから。
(目覚めると、そこはあの書店であった。シャルル様の膝の上で眠っていたようである)
膝には膝掛けが掛かっていた。
シャルルは、ルーナが目覚めたのに気がつく。
ルーナはシャルルの顔を見ると、優しそうな申し訳なさそうな、そんな顔でルーナを見ている。
「シャルル様」
ルーナはシャルルの顔見て安心したのか起き上がり、シャルルに勢いよく抱きつく。
「怖かったよ、シャルル様」
緊張の糸が切れたのかルーナは泣き出してしまう。
止まらない涙たち、その姿はまるで小さな子供のように大きな声で泣き出してしまうルーナ。
シャルルは、突然のルーナのそんな姿にとても驚いたようであった。
(それでも、シャルル様は優しくそのまま私を抱き締め続けてくれていた)
その二人の姿を本棚に寄りかかりながらエミリオが見ていました。
その後しばらく、泣いていたのだが、いつの間にか疲れて眠ってしまったルーナ。
シャルルは、眠っているルーナの髪の毛を優しく撫でる。
「すまない。ルーナ、こんな思いをさせて」
シャルルとルーナはしばらくの間、二人の時間を過ごしたのでした。
シャルルは、立ち上がるとルーナをお姫様抱っこで抱き上げます。
「エミリオ、そろそろ僕達は戻ることにするよ」
シャルルの声を聞いて、奥からエミリオがやって来きます。
「そうか、また来いよ。シャルル」
「ああ、また来るよ、エミリオ。次はルーナが元気になったらな」
シャルルが呪文を唱えると、次の瞬間シャルルとルーナは書店から煙のように姿を消したのでした。
◆◇◆◇
ルーナが部屋のベッドで眠っている。
その近くの椅子に座ったシャルルがルーナの眠っている姿を眺めている。
(いつになったら目を覚ますんだ、ルーナ)
ルーナの顔を見ながら、心配の表情を浮かべるシャルル。
次の日。
今日もシャルルは、ルーナの側にいたのでした。
ルーナが目を覚ました。
近くには、シャルルが椅子に座っていた。
シャルルが、ルーナが目覚めたことに気付き、近くに寄ってくる。
「ようやく、目覚めたんだね。ルーナ」
(シャルル様は、悲しそうな表情をしている)
ルーナが起き上がろうとすると、シャルルは、それを止めたのでした。
「横になったままでいいよ」
ルーナは、また横の体制に戻ります。
「僕は、皆にルーナが起きたことを伝えてくるから、楽にしているといい。また戻ってくるから」
そういうと、シャルルは部屋から出ていったのでした。
ルーナはあの本の世界での出来事を思い出していた。
(ドラゴンとシャルル様が戦う中どうにか離れないようにしていたのだが、突然青色の光りが差し込んだ所で、記憶が切れてしまっている。あのあと、どうなったのだろうか?)
あとでシャルル様に聞いてみよう。
その後、少しするとまたシャルルが戻ってきました。
シャルル様によると私は屋敷に戻ると、二日間目を覚まさなかったのだという。
あの後、あの本は魔法監理局の人に渡されたそうである。
あの本は、最初から禁書ではなく、もともと普通の本として販売されていたのだが、誰かの手により、話が書き換えられてしまったのだという。
そのため禁書に変わってしまったのである。
禁書というのは、閲覧することを禁止されてしまった本のことを言うのだそう。
もちろん、シャルル様に教えてもらった。
『ドラゴン姫と勇者』の本当の物語は、姫が怒り、ドラゴンに変わったという物語ではなく。
偽物の勇者、つまりドラゴンが勇者に化けてドラゴンを倒したと王様に説明したことは嘘であり、その事が王様にバレてしまった偽物の勇者はドラゴンに変わり、姫をさらってしまう。
そのドラゴンから姫を助けるために本物の勇者現れて、姫を助けに行き、見事その勇者は、ドラゴンを倒すことに成功し、城へ戻ってくる。
そしてその後二人は、惹かれあい幸せに暮らすというハッピーエンドの物語なのである。
そんな素敵な物語を滅茶苦茶にするなんて、どんな人が手を加えたのだろうか。
あの本の中に入って、不思議な体験をしたたりして、もちろん怖かったけれど、シャルル様が必ず迎えに来てくれると、そう思うと何故だか心が少し軽くなれた。
だから最後まで諦めずドラゴンと戦えたのかもしれないと感じるルーナ。
エミリオさんに体調が戻り次第お礼を言わなければ……
そんなことを思うルーナなのであった。
◆◇◆◇
時間を少し戻して、現在。
シャルルがベッドの端に座っている。
「ルーナ、体調はどうだい?」
「はい、随分楽になりました」
「それはよかった」
「シャルル様、迷惑をかけて申し訳ありませんでした」
「ルーナのせいではないのだから」
「しかし……」
シャルル様は首を横に震う。
「はい」
優しく包み込むように優しい言葉を私にかけてくれるシャルル様。
「一つシャルル様に、聞きたいことがあるのですが、確かあの時、青い光りが差したのを見たのですがあれは、何だったのかご存じですか?」
「おそらく、エミリオの魔法じゃないかな?」
「そうですか」
先ほど異なり、話をすぐにそらされてしまう。
不思議に思いつつも話を聞く。
「ところで、ルーナ忘れ物はないかい?」
「え?忘れ物?何でございますか?」
突然言われて、辺りを見渡す。
シャルル様が意地悪ぽく微笑む。
「ほらこれ」
すると、シャルル様は手を広げ、中に入っていたものを見せてくれる。
そこには、青色の月の形のネックレスがあった。
「あ、」
首を触る、いつの間に外れてしまったのだろうか?
「後ろを向いて」
シャルル様に言われ、髪を持ち上げると、ネックレスを着けてくれた。
「もう失くさないようにね、ルーナ」
「はい、シャルル様、大切に失くさないようにします」
ルーナは、首に着いているネックレスを強く握りしめる。
失くさないように、失わないように大切に持っていよう。
だってこれは、私の存在を認めてくれた大切な人が贈ってくれた、大切な贈り物なのだから。