─これは私の物語。

いつの日かあなたに出会った日のことを思い、私は思うのでしょう。

あなたに出会えてよかったと……


◆◇◆◇


静寂に包まれた廊下を一人の男性が足音を響かせながら部屋に近づいてくる。

部屋の扉が開かれ、眠っている少女に声をかけながら、カーテンを開くと窓の取っ手に手を掛け、窓を開ける。

「ルーナ、よく眠れたかい？」

眩しい光が部屋を照らし、眠い目を擦らながら少女がベッドから身体を起こすと、彼の顔を見る。

「はい」

彼の名前は、シャルル。

彼は、私の主である。

窓から吹く風にシャルルの綺麗な金色の髪をなびかせている。

ここは、モーントライト王国の端に位置するのがここ水の都フルスである。

この近くには大きな川が流れており、その綺麗な景色と水を求めて多くの人々が集まり、栄え発展していったのである。

ここフルスからずっと北へ向かうと、クラウンという名前の国境にほど近い小さな田舎町があり、そこで私は生まれそして育った。

その日は朝から大雨が降り続いているそんな天気の日だった、教会の入り口で布のようなものに包まれてかごに入れられた状態でいたところをそこの教会のシスターに見つけてもらい、そこから孤児としてある教会で育てられた。

私の名前であるルーナは、教会のシスターに見つけらた時にかごの中に紙が挟まっており、その紙にルーナと書かれており、ルーナという名前になったのである。

そして私には、生まれた時からある特殊な見た目のせいで、恐れられ、蔑まれたてきた。

そんなある日、孤独に過ごしていた私の前に救いの手が差し伸べられることになる。

でもこのときの私は、まだ何も知らなかったのである。

これから起きる出来事のたちを……