さて物語は暫く幼いルークから離れ、時を遡って彩蓮大公国と、楼桑王国との係わりを描くこととなります。

 どうやってふたつの国は蜜のように睦みあい、やがては離反し、此度のサイレン滅亡という悲劇へと至ったのか。
 その物語を語り終えて後に、本編である真の『聖大陸興亡志』という壮大な歴史絵巻が始まります。


 時代の主役たちの活躍を、一刻も早く読みたいと言う期待を裏切るようで心苦しいのですが、話しは《《黎明期前》》のサイレンをしばし語らせていただきます。

 サイレン滅亡後に幼きルークの試練と、のちの三国鼎立時代を飾る主役たちとの交流が始まります。
 なんといっても、ルークがサイレンを再興させる切っ掛けとなるのが、オーディンとの関係です。
 彼の存在なくしてサイレン復興も、三国鼎立もあり得ません。

 群雄割拠する戦国時代の聖大陸が、突如現れた『覇帝・オーディン』に瞬く間に席巻され、悲願の大陸統一まであと一歩となるが、寵愛する家臣の謀叛に遇い死去してしまう。

 やがて混乱のアンドロームは梟帝ルキアが君臨する『ラインデュール連合帝国』、聖王ルークの治める『聖サイレン国』、希代の英雄ノヴァを擁する『ライトファーン太陽王国』による三国鼎立時代へと集約されてゆきます。

 この三国がそれぞれ覇を競い合うという、長い物語まではいま少しの時間を費やすことをご容赦ください。