それは、雪の降る日だった。

 碧のスマートフォンが振動し、メッセージが届いたことを告げる。

 学校からの帰り道、(かじか)む指で液晶に触れた。

 千乃からだ。

 メッセージを開き、短い文面を、何度も読み返す。

 手が震えているのは、寒さのせいだろうか。

 それとも、メッセージのせいだろうか。

 ああ、本当に千乃は残酷だ。

 零れ落ちた涙が、凍った気がした。

 『佐倉くん、_