よくここまで、妃達を迎えたものだ。

だが皇帝一人が悪いわけではない。

二年に一度、この国には妃の公募があって、19歳から20歳の独身女性が国中から集まり、合格すれば皇帝の妃になれるのだ。

そんな行事があるから、私のように寵愛を受けない妃がたくさんいるのだ。

皇帝の妃になれば、他の男と結婚する事はできない。

飼い殺しもいいところだ。


そして、皇帝が大広間にやってきた。

するとあんなにうるさかった大広間は、静まり返った。


「思ったよりも噂が広がるのが早かったようだ。」

そして、次に皇太子が大広間にやってきた。

「私は皇位を、皇太子である涼星に譲ろうと思う。」

中には初めて聞く妃もいて、ひそひそと話始める。

「今後は、宮殿の奥で皇后とひっそり暮らそう思う。皆は、それぞれの人生を歩むがよい。」