五月晴れの心地良い朝。

 晨はベッドで横になったまま、大きく伸びをした。

 カーテンに隙間があったようで、そこから朝陽が差し込んでいる。

 昨夜はイラストが思うように進まず、晨にしては珍しく早寝だった。

 そのお蔭か、朝の目覚めは悪くなく、身体も軽い。

 一日の始まりとしては上々だな、と思った晨はふと、違和感を抱いた。

 布団がふっくらと盛り上がっている。

 それはいい。

 問題は晨の身体ではないもので膨らんでいることだった。

 晨が恐る恐る掛け布団をめくると、小さく丸まった真白が眠っていた。

「え?」

 晨の腕の中に納まるような位置で、晨のパジャマを掴んだまま、気持ち良さそうに寝息を立てている。

 晨は何が起こっているのか理解ができず、遅れて、顔に熱が集まっていくのがわかった。

 それどころか、身体全体が燃えそうになっていく。

「ま」

 名前を呼ぼうとして、すぐにやめた。

 真白の身動ぎでベッドが細かく揺れる。

 次の瞬間、彼女が密着するように、身体を寄せてきた。

 長くて細い腕が晨の身体に回され、きゅっと抱き着く。

 真白の熱が、晨の右半身を焦がすように伝わってくる。

「――っ」

 晨は叫びそうになるのを、唇を噛んで堪え、真白に触れないように両手をゆっくりと挙げた。

 心臓が痛い。バクバクと暴れている。

 この音が、この振動が、真白に伝わって起こしてしまいそうだ。

 そうなったら、どんな顔をすればいい?