ここ最近、似たような会話を毎日している。

 正直、返事をするのも億劫だ。

 真白がそれ以上、何も言おうとしないことに胸を撫で下ろし、晨は再び箸を手にした。

 一日に一度のやりとり。

 その変な規則性に気付いていた晨は、内心で不思議に思っていた。

 確かに、真白は晨を揶揄って楽しそうにしている。

 しかし、どこかしっくりとこない。

 揶揄うことに目的も何もないと思うけれど、真白は単純なようで、難しいところがある。

 言い換えると、『こじらせている』気がする。

 そんな真白が、単純に晨を怒らせることだけを楽しむだろうか。

「真白」

「ん?」

 食事を終えた真白が箸を置いたのを見て、晨はまっすぐ真白を見据える。

「何がしたいの?」

「晨が食べ終わったら、片付けがしたい」

「そういうことじゃない」

 晨は腕を組んで、真白の目を見つめた。

 そうすると、真白の色白の頬がほんのりとピンクに色づく。

 僅かに速くなった瞬きのたびに、長い睫毛が揺れて、猫のような丸い目を目立たせる。

 真白が晨のことを知り始めたように、晨もまた真白のことを知り始めている。

 真白は、案外恥ずかしがり屋だ。