―― 蒼い風が僕を煽る。

みんなの視線と、ザワザワという声。

僕を前にして、急ブレーキをかけるトラック。

クラクションが脳の隅まで鳴り響く。

『ありがとう』

夏の終わりに告げる僕の感謝の声は⋯

誰にも届かず朽ちていった。

――終わり

「これで、この世界の僕は、消えることで君と一緒になれたんだよ」

まだこの世界の僕には、やるべきことが沢山残っているから。