最寄り駅について、いつも通りコンビニへ向かった。金曜日なのに、身体はいい具合にぐだぐだしてくれない。
三埜くんになにか言われそうだけど、今夜はたくさんアルコールを流し込んで、なにも考えないまま眠りたい。カレーだからジンか赤ワインが合うだろう。
死にますよと怒るであろう三埜くんにどう反論しようかと考えていると、カウンターのなかに彼を見つけた。そのすぐ隣には、おそろいのコンビニの制服を着た女の子が立っている。
よほど話が弾んでいるのか、同時に入店した男性が大柄でその影になってしまったのか、彼は私に気づかなかった。その距離で話す必要はあるのかと違和感を抱くような距離で、ずっと女の子と話している。
いったいどっちからその距離をつくったんだろう。
ううん。三埜くんはああいう子だから、きっと深い意味はない。私が神経質になっているだけで、そこに意味なんてない。
そうやっていろいろ言い聞かせてみても、あの女の子と並んだ三埜くんと顔を合わせる自信がなかった私はそのままコンビニを出て、アパートに向かった。
化粧もそのままに、顔を洗う。皮脂やメイクに弾かれた水が洗面所に散った。
いつからこんなに依存してしまったんだろう。
名前も知らないただのコンビニ店員と客だったのに。彼と同じような年ごろの、わかりやすくかわいい今時の女の子と話してるだけで、なにをこんなに動揺してるんだろう。