「私、魅力的な女性なんですか?」
バッドを振りながら聞いた。
「ああ、魅力的だ。俺の奥さんの次に」
その言葉を聞いてガッカリ。
やっぱり倉田課長は奥さんが一番なんだ。
「奥さんは越えられないんですね」
「当たり前だ。じゃなきゃ結婚していない」
「……そうですか」
「麻生、来たぞ」
奥さんに負けた悔しさを込めて球を打ち返すと、確かな手ごたえがあった。課長が打ったときよりも高く、球が飛んで行く。
「麻生、いいぞ。その調子」
耳元で嬉しそうな低い声が響いた。
無邪気に喜んじゃって、私の恋心なんて、この人は全く気づいていないんだ。
あー悔しい。少しは女性として意識してよ。
「ほら、次も来るぞ」
また白い球が飛んでくる。
悔しさをかき消すようにバッドをまた全力で振る。
当たった白い球が琥珀色の満月に向かって飛んでいく。今までで一番大きな当たり。
あの球と一緒に私の気持ちも遠くに飛んで欲しい。
バッドを振りながら聞いた。
「ああ、魅力的だ。俺の奥さんの次に」
その言葉を聞いてガッカリ。
やっぱり倉田課長は奥さんが一番なんだ。
「奥さんは越えられないんですね」
「当たり前だ。じゃなきゃ結婚していない」
「……そうですか」
「麻生、来たぞ」
奥さんに負けた悔しさを込めて球を打ち返すと、確かな手ごたえがあった。課長が打ったときよりも高く、球が飛んで行く。
「麻生、いいぞ。その調子」
耳元で嬉しそうな低い声が響いた。
無邪気に喜んじゃって、私の恋心なんて、この人は全く気づいていないんだ。
あー悔しい。少しは女性として意識してよ。
「ほら、次も来るぞ」
また白い球が飛んでくる。
悔しさをかき消すようにバッドをまた全力で振る。
当たった白い球が琥珀色の満月に向かって飛んでいく。今までで一番大きな当たり。
あの球と一緒に私の気持ちも遠くに飛んで欲しい。