あたしの堪忍袋の緒が切れる前に、部屋ががらりと開かれた。

そして最高潮に怒っているお兄ちゃんが、小林さんに殴りかかった。

すごい音でほほを無抵抗で殴られた小林さんは、驚いて対処しきれていない様子だ。


「お兄ちゃん!?」

「お前‥きょうだいいたのか‥」

「いや親戚のお兄ちゃん。」

「なんでそんなやつが俺を殴るんだよ!喧嘩売ってんのか!!」


スッと怒り顔から笑顔になった。

これが一番怖いやつだ。


「親戚がなんで‥‥‥」

「お前にはわからんだろうな。一生わからないまま悲しい残念な人生送ってくれ。さ、帰るなら担いであげるよ?」

「お兄ちゃん!」

「こいつは俺に任せて、寝てなさい。もう遅いから。」

「お兄ちゃん!」

「いい子だからね、姫」


ここまで言われてしまうと、何も反論できない。

相変わらずなんだな、お兄ちゃんは。


「うん」