気が付けばあたしは眠っていた様子。

どうやら2時間ほど。

下からワイワイと声がしていた。


(お兄ちゃん来てて盛り上がってんだな‥‥‥)


あんなことなかったら、あたしはお兄ちゃんと再会して‥‥‥ってなってたのにな。

なんであたしはあの人に呑まれてしまったんだ。


そう。

あたしは高校を卒業して就職を札幌に決めた。

函館ではなかなか職がなくて致し方なく。


就業先ではめちゃくちゃかっこいい上司があたしに付きまとっていた。


調子に乗って付き合いだして、初めての夜を迎えた。


「待って、あたし初めてで‥‥‥」

「は？遊んでそーだったから誘ってるだけだし。なに、本気にしたの？」

「え？」

「やだなー処女とか硬いな。ほどよいモノが欲しいのに初めてかー」

「‥‥‥なにそれ」


あたしは自分の持っていたバッグで上司の頭を殴って、服を着てホテルを出た。

そこを会社の他の人に見つかって、変な噂が立ち上がって、



退職を余儀なくされたんだ。