【 ✕✕7年 4月21日土曜日 曙旅館の同窓会会場 】
やっとみんなが揃った、誰も欠けることなく。奏は見たことないような優しい笑みを浮かべていた。その隣には美琴もいた。良かった、本当に良かった。
準備が出来たらしく、幹事の人が開式の挨拶を終えて乾杯の音頭を取る。
「これより乾杯に移りたいと思います。皆様、お手元にグラスのご準備をお願いします。ご準備は整いましたでしょうか?それでは乾杯の挨拶を担任の藍田先生にお願いいたします」
かつての担任の藍田先生がマイクの前に立つ。
「それでは、皆さんとの再会を祝しまして、乾杯!」
「「乾杯!!」」
「藍田先生ありがとうございました。それでは、お料理も揃っていますので、しばしお食事とご歓談をお楽しみ下さい」
そうして同窓会は始まった。みんな、思い思いに話をしながら、お料理や飲み物を楽しんでいる。
「奏ちゃん、美琴ちゃん。久しぶりね」
「あ、藍田先生!ご無沙汰しています!」
「お久しぶりです」
藍田先生に二人はいい返事を返す。
「2人とも元気そうで良かったわ。2人が来れなくなるって聞いてから心配していたの。でもこうしてまた会えて嬉しいわ」
「はい、私も皆に会えて嬉しいです!」
どうやら藍田先生は、各生徒に挨拶をしてまわっているようだった。奏と美琴にさらりと挨拶をしたあとに他の生徒の方へと行ってしまった。
先生が去った後に美琴が私の袖を引っ張った。
「ねぇ、美香。あれなんだけどさ……」
私は美琴が指した方を見る。指差した方には、プロジェクター用のスクリーンに何かが映っていた。
「もしかして、スライドショーやるんじゃないかな?」
「そうかも。じゃあさ、見ようよ一緒に!」
美琴は私の手を取って席を立ちスクリーンの見える位置へと移動する。
途中で奏も誘って、三人で映像を見る。映像には懐かしい思い出の数々が映っていた。奏は懐かしそうに眺めている。美琴もそうだったが、私は少し複雑な気持ちで映像を眺めていた。
私の選択は正しかったのだろうか……。きっと正しかったんだろう。二人が生きて幸せになっているのだから。きっと……。
そうして、同窓会は終わった。あの惨劇が起こることもなく。奏と美琴と別れてから、私はお兄ちゃんと帰路に着いた。すっかり日が落ちて、街灯が夜道を照らしている。
「美香、楽しかったか?」
お兄ちゃんは優しい笑みを浮かべながら私に聞く。私は正直に答えた。
「うん!楽しかったよ!あ、そうだお兄ちゃん。お兄ちゃんはどうだった?同窓会」
私が聞くとお兄ちゃんは少し考えるようなそぶりをした後にこう答えた。
「久しぶりにみんなに会えたから嬉しかったけど、少し疲れたかな……」
それを聞いた私は少し苦笑いをして答える。
「ふふっ、私も最初はそうだったかも」
そうして家に着いた私達は、お兄ちゃんが色々と準備をしていた。
「今日くらいは俺が作るよ。疲れてるだろ?美香は休んでな」
「……うん、ありがとう」
お言葉に甘えて今日は休もう……。今日は本当に疲れた。でも、すごく楽しかったなぁ……。
やっとみんなが揃った、誰も欠けることなく。奏は見たことないような優しい笑みを浮かべていた。その隣には美琴もいた。良かった、本当に良かった。
準備が出来たらしく、幹事の人が開式の挨拶を終えて乾杯の音頭を取る。
「これより乾杯に移りたいと思います。皆様、お手元にグラスのご準備をお願いします。ご準備は整いましたでしょうか?それでは乾杯の挨拶を担任の藍田先生にお願いいたします」
かつての担任の藍田先生がマイクの前に立つ。
「それでは、皆さんとの再会を祝しまして、乾杯!」
「「乾杯!!」」
「藍田先生ありがとうございました。それでは、お料理も揃っていますので、しばしお食事とご歓談をお楽しみ下さい」
そうして同窓会は始まった。みんな、思い思いに話をしながら、お料理や飲み物を楽しんでいる。
「奏ちゃん、美琴ちゃん。久しぶりね」
「あ、藍田先生!ご無沙汰しています!」
「お久しぶりです」
藍田先生に二人はいい返事を返す。
「2人とも元気そうで良かったわ。2人が来れなくなるって聞いてから心配していたの。でもこうしてまた会えて嬉しいわ」
「はい、私も皆に会えて嬉しいです!」
どうやら藍田先生は、各生徒に挨拶をしてまわっているようだった。奏と美琴にさらりと挨拶をしたあとに他の生徒の方へと行ってしまった。
先生が去った後に美琴が私の袖を引っ張った。
「ねぇ、美香。あれなんだけどさ……」
私は美琴が指した方を見る。指差した方には、プロジェクター用のスクリーンに何かが映っていた。
「もしかして、スライドショーやるんじゃないかな?」
「そうかも。じゃあさ、見ようよ一緒に!」
美琴は私の手を取って席を立ちスクリーンの見える位置へと移動する。
途中で奏も誘って、三人で映像を見る。映像には懐かしい思い出の数々が映っていた。奏は懐かしそうに眺めている。美琴もそうだったが、私は少し複雑な気持ちで映像を眺めていた。
私の選択は正しかったのだろうか……。きっと正しかったんだろう。二人が生きて幸せになっているのだから。きっと……。
そうして、同窓会は終わった。あの惨劇が起こることもなく。奏と美琴と別れてから、私はお兄ちゃんと帰路に着いた。すっかり日が落ちて、街灯が夜道を照らしている。
「美香、楽しかったか?」
お兄ちゃんは優しい笑みを浮かべながら私に聞く。私は正直に答えた。
「うん!楽しかったよ!あ、そうだお兄ちゃん。お兄ちゃんはどうだった?同窓会」
私が聞くとお兄ちゃんは少し考えるようなそぶりをした後にこう答えた。
「久しぶりにみんなに会えたから嬉しかったけど、少し疲れたかな……」
それを聞いた私は少し苦笑いをして答える。
「ふふっ、私も最初はそうだったかも」
そうして家に着いた私達は、お兄ちゃんが色々と準備をしていた。
「今日くらいは俺が作るよ。疲れてるだろ?美香は休んでな」
「……うん、ありがとう」
お言葉に甘えて今日は休もう……。今日は本当に疲れた。でも、すごく楽しかったなぁ……。