「「何を?」」
あ。
揃った、言うタイミング。
西園寺と松浦さん。
気が合っているねぇ、本当に。
牛耳っている者同士。
「……クラス内を仕切ること」
そうして。
言っちゃった……言ってやった。
もう。
できない、戻ることは。
ん?
無反応?
意外、というか。
西園寺と松浦さん。
二人なら。
してくる、逆ギレ。
そう思っていたのに。
「あぁっ⁉」
「はぁっ⁉」
あ。
ピンとくる。
それが遅かっただけか。
やっぱり。
想定内のリアクション。
「おいっ、楚良っ。
いつ俺たちが仕切った⁉」
「そうよっ、楚良さんっ、
やめてくれるっ? そういう言いがかり」
あぁ。
気付いていない?
やっぱり。
それとも。
思い込み?
西園寺と松浦さんは。
まとめている、クラス内を。
そういう感じ?
まったく。
めでたい人たち。
「気付いてないの?
二人とも」
不思議。
今。
恐れていない、全く。
恐れている、みんなが。
そんな西園寺と松浦さんに。
言っている、堂々と。
自分の意見を。
できる、そうすることが。
それは。
凪のおかげ。
一緒にいてくれている、凪が。
だから。
出すことができる、勇気が。
「気付いていないとかじゃねぇよっ。
そもそも俺たちは仕切ってなんかいねぇっ」
「そうよっ、
人聞き悪いわねっ。
失礼よっ、楚良さんっ」
している、ヒートアップ。
西園寺と松浦さんの言い方が。
「わかるよ、
二人がムキになるのも。
認めたくないよね、
自分たちがクラス内を仕切ってるなんて」
西園寺と松浦さん。
二人が。
どんな言い方をしても。
諦めない。
言うことを。
「だけど、
いくら否定しても、
二人がクラス内を仕切っている事実は変わらない」
粘り強く。
話す、毅然とした態度で。
「もう、やめなよ、
自分勝手な行動すること。
世の中はさ、
二人のためだけに、あるわけじゃないんだよ」
あ。
まずい。
やってしまった。
話し合う、丁寧に。
西園寺や松浦さんと。
そのつもりだった。
それなのに。
なってしまっている、説教のように。
これは。
悪い癖、私の。
「あぁっ⁉
何だよっ、楚良っ。
お前、ケンカ売ってんのか⁉」
やっぱり。
そうなるよね。
いくら正論でも。
今の私の言葉。
ああいう言い方だと。
買ってしまう、反感を。
特に。
あの西園寺と松浦さんだもの。
だから。
ダメでしょ、なおさら。
そう思いながら。
苦笑い、心の中で。