けれどすぐに朔哉から手を掴まれた。

「ダーメ。
ほら」

私の手を取り、勝手に小指を絡めてしまう。

「指切りげんまん、嘘ついたら……そうだな、檻に閉じ込めて私の世話無しじゃ生きられないようにしてあげる」

朔哉の形の良い唇が、にっこりと三日月型になる。
言っている内容とそぐわないほどに。

「それで、崩し文字の読み方、だっけ?
ここにいるもので文字が読めるものはみんなわかるから、そんなものないんだよ。
お遣いを頼むしかないんだけど、……そうだ。
私が教えてあげよう」

いいことを思いついたとばかりに、朔哉がぽんと手を打った。

「いいの?」

「もちろん」

朔哉に手を引かれてパソコンルーム兼書斎へ移動する。
とりあえず問題は解決しそうで良かったんだけど。
さっき指切りといい、昨日の指切りといい、朔哉ってもしかして……ヤンデレ、なんだろうか。



翌日ももちろん、うか様のところへ行く。

「なにかあったらすぐに呼ぶんだよ」

「わかった」

「無理は絶対、しないこと」

「うん」

「あとは……」

「もうわかったから」