「朔哉。
うか様のところで言っていた、代替わりってなに?」

それを言った途端、うか様の態度が一変した。
これってなにか、マズいことなんじゃないのかな。

「んー、おいおい説明するよ。
それより」

するり、と朔哉の手が私の頬を撫でる。

「……そろそろ心桜を食べたいんだけど、いいかな?」

「えっ、あっ、その」

昨日、初夜を済ませたとはいえ、まだそんなことを言われるのは恥ずかしい。
でも気がつけばソファーへ、朔哉から押し倒されていた。

「……いい、よね」

耳を、熱い吐息がくすぐる。
するっと空中から取り出したリボンが朔哉の手に握られる。

「あ、あのね?
ここじゃ、ヤダ」

「あー、そうか。
まだ、恥ずかしいよね」

まだってなに?
まだって。
そのうち、恥ずかしくなくなるもんなのか?

くすりと笑った朔哉が、私を抱き抱える。

「歩けるから!!」

「んー?
私が心桜を、抱っこしたいんだよ」

私を抱えたまま、朔哉は廊下を進んでいく。
誰かに見られたら、って心配したけれど、チリンチリン私の鈴が鳴り響くからか誰もいなかった。

「心桜」