「ふーん」

神様も人間に振り回されて大変そうだ。

「心桜はいるだけで明るい気が満ちるからいいんだけどね」

「きゃっ」

いきなり、朔哉が抱きついてくる。
すりすりと身体を擦りつけられるとくすぐったい。

「明日からうか様のところだけど、大丈夫?」

「心配しすぎだよ。
うか様、悪い神様じゃなさそうだし」

「まあ確かに、悪い神ではないんだけど……。
性格がなー」

朔哉の口からはぁっと短くため息が落ちる。
よっぽど普段から苦労させられているみたいだ。

「できないことはちゃんとできないって言うんだよ?
無理して頑張っちゃ、ダメ」

「うん」

「何度も言うけど、なにかあったらすぐに呼んで。
わかった?」

「わかった」

同じことを繰り返す朔哉は、過保護だなーって思う。
でも私、それだけ愛されているってことだよね。
天照大御神様にもうか様にも私の目を潰さないのかって言われて、きっぱりとしないって言い切っていた。
それに愛しているって。
あ、そういえば……。