「……こんなところにも、咲いてるんだ……」
青い、ネモフィラのような導き草が咲き乱れている。
ずりずりと這って、その中に寝転んだ。
「……息が、しやすい……」
黄泉の刺すような空気とは違い、導き草の周りには僅かに、清浄な空気が発生していた。
そのせいで呼吸が少し、楽になった。
「これ、たどれば帰れるのかな……」
迷った人を導いてくれる花だと、朔哉は言っていた。
だから私も、迷ったときは探すといいよ、って。
「……待ってて、朔哉……。
……いま、帰るから……」
ずり、ずりっと少しずつ導き草の作る光の帯を這っていく。
もう立ち上がる力なんてどこにもない。
すべての力を振り絞り、少しずつ進んでいく。
かさかさとそこら中を這うなにかは、導き草に行き当たると弾かれるように後退していった。
もしかしたらこの中には入れないのかもしれない。
「あの人の子はどこに行った!?」
突如、後ろから伊弉冉様の声が響いてきて、びくんと身体が震える。
こんな目立つところにいればすぐに見つかってしまう。
わかっているけれど、身体は動かない。
導き草の中から出れば、死んでしまう気がしていたから。
青い、ネモフィラのような導き草が咲き乱れている。
ずりずりと這って、その中に寝転んだ。
「……息が、しやすい……」
黄泉の刺すような空気とは違い、導き草の周りには僅かに、清浄な空気が発生していた。
そのせいで呼吸が少し、楽になった。
「これ、たどれば帰れるのかな……」
迷った人を導いてくれる花だと、朔哉は言っていた。
だから私も、迷ったときは探すといいよ、って。
「……待ってて、朔哉……。
……いま、帰るから……」
ずり、ずりっと少しずつ導き草の作る光の帯を這っていく。
もう立ち上がる力なんてどこにもない。
すべての力を振り絞り、少しずつ進んでいく。
かさかさとそこら中を這うなにかは、導き草に行き当たると弾かれるように後退していった。
もしかしたらこの中には入れないのかもしれない。
「あの人の子はどこに行った!?」
突如、後ろから伊弉冉様の声が響いてきて、びくんと身体が震える。
こんな目立つところにいればすぐに見つかってしまう。
わかっているけれど、身体は動かない。
導き草の中から出れば、死んでしまう気がしていたから。