うか様たち神様にとって、黄泉は忌むべき場所。
入った人などいないし、いても帰ってきた人はいない。
「……人の子、かえ」
唐突に、声が響いてくる。
それはチューナーの微妙に合っていないラジオのようで、酷く落ち着かない。
しかもそれを聞いた途端、叫びだしそうなほどの恐怖に駆られた。
身体の内側をぞわぞわと蛇が這いずり回っている気がする。
必死に歯を食いしばり、悲鳴を飲み込む。
全身は粟立ち、髪の毛までも逆立ちそうだった。
「……人の子がこんなのところへ、なんのようかえ」
あたまの中へ直接響いてくるその声が、おかしそうにころころと笑った。
「……言の葉を、もらいに」
震えそうになる声を必死に押さえ、極めて冷静に言葉にする。
「……ほぅ」
ぽっと、目の前に白い炎が灯る。
それは二列になって私の前を、ぽぽぽぽっと照らした。
「言の葉が、欲しいのかえ」
一段高くなった前方に脇息に寄りかかる、若い女の人がいた。
髪は優に身丈を超えて地面に広がっている。
白い裸体は所々朽ちており、そこから巻き付く蛇が這い出したりしていた。
「そうか。
……ほれ」
入った人などいないし、いても帰ってきた人はいない。
「……人の子、かえ」
唐突に、声が響いてくる。
それはチューナーの微妙に合っていないラジオのようで、酷く落ち着かない。
しかもそれを聞いた途端、叫びだしそうなほどの恐怖に駆られた。
身体の内側をぞわぞわと蛇が這いずり回っている気がする。
必死に歯を食いしばり、悲鳴を飲み込む。
全身は粟立ち、髪の毛までも逆立ちそうだった。
「……人の子がこんなのところへ、なんのようかえ」
あたまの中へ直接響いてくるその声が、おかしそうにころころと笑った。
「……言の葉を、もらいに」
震えそうになる声を必死に押さえ、極めて冷静に言葉にする。
「……ほぅ」
ぽっと、目の前に白い炎が灯る。
それは二列になって私の前を、ぽぽぽぽっと照らした。
「言の葉が、欲しいのかえ」
一段高くなった前方に脇息に寄りかかる、若い女の人がいた。
髪は優に身丈を超えて地面に広がっている。
白い裸体は所々朽ちており、そこから巻き付く蛇が這い出したりしていた。
「そうか。
……ほれ」