また、虐められちゃうのかな。

「嫌なら……っていうか、私が断ってしまっていいよね」

朔哉は酷く心配そうだけれど、陽華さんが言っていたことも気になる。
だから。

「話だけでも聞こうかな」

「いいのかい?」

また私を虐めるっていうなら受けて立つし、本当になにか困っていて頼みたいのなら聞いてあげたい。

「うん」

「じゃあ、連絡入れておくね。
……こほっ」


ん?
朔哉いま、咳をした?

「朔哉?」

「ん?
なんでもないよ」

朔哉は笑って食事を続けている。
神様は病気にならない。
だから、いまのは気のせいだと思ったんだけど。


午後、朔哉に連れられてうか様のところへ行った。
久しぶりに目隠しでお出かけだったんだけど、鳥居を抜けたところでは陽華さんが待っていた。

「じゃあ、目隠し取っていいよね?」

「ヤダ。
このままがいい」

私を抱き抱えたまたすたすた朔哉は歩いていくから、また首に抱きつく。

「心桜、待ってたよー。
……ん?
なんで目隠し?」

そうなりますよねー。
わざわざ、陽華さんの迎えを寄越しているのに。

「別にかまわないでしょ」