朔哉の周りでは大輪の牡丹の花が咲き乱れている。
なんだかご機嫌みたいで、私も嬉しかった。



環生さんに頼んだ毛糸と布は、翌日には私の手元に届いた。

「ちゃんと合ってる」

意地悪されて全然違うのが届くのかとちょっと怖かったんだけど、希望通りのものがきた。
朔哉はお遣いで希望が叶うことの方がまれ、とか言っていたけど、間違いなんて全然ないし。

「本当にありがとうございます、だよ」

たまたま、だったのかどうかはよくわからないけれど。
とにかく希望通りのものが手に入ったのだ。
これで、計画通りに進められる。

朔哉のマフラーはネットからレシピを落とした。
こういうとき、ネットに繋がっているのは本当に便利。
どういう仕組みになっているのかは全くわからないけど。
うか様のところでもそうだけど、パソコンだって電源ケーブルが繋がっていなくて動いている。
一度、朔哉に訊いたんだけど。

『使う人の霊力で動いているんだよ』

と、厨二病的なことを言われた。
神様だとか眷属の方はわかるけど、人間の私に霊力なんてない。