《よくやった、ソール!!》
《はっは、俺にかかればこんなものさ》
とはいえ、内心冷や汗ものだった。最後の1発がアスガルドに着弾していれば大惨事だっただろう。
さて、残る敵は4機となった。やつらを撃墜すれば任務完了だ。
と思ったが予想が外れた。敵機の回りに小さな球体が浮いているのが見えたのだ。
「またろくでもないものを作りやがったな…」
ソールはヴクブ・カメーの顔を思い浮かべた。強力な武器というより、戦闘機をサポートするようなものだろうと察しがつく。
《おーい、やっと追いついたぞ》
緊迫したこの場に、場違いを絵に描いたような豪快な声が聞こえた。
《トール殿!》
《スレイプニルの一隊を連れてきた。君たちだけに任せるわけにはいかないからな》
トールの口調は脳天気だが、彼らの何人かはここで死ぬだろう。なるべく被害を少なくして戦うしかない。
《ではいくぜ!》
アーレスがグリフォンからケラウノス光線を発射した。それが最終決戦の開戦の合図となった。
敵味方が入り乱れる中、おおよその対戦相手が決まる。グリフォン対ニーズホッグ、ペガサス対スコルとハティ、フェニックス対フレスヴェルグである。アスガルド空軍のスレイプニル隊はグリフォンに付いた。
グリフォンは再びケラウノス光線を発射する。これまで激戦をくぐり抜けてきた武器だ。しかし、ニーズホッグは口から吐くブリザードブレスで光線を凍らせた。
「はあ!?」
アーレスは目を疑った。実弾のような物理的なものを凍らせて無力化するのは分かる。しかし、今目の前では光線が凍り付いた。ありえない。
そんなアーレスをよそに、ニーズホッグはブリザードブレスを発射し続ける。何とかかわしていると無数の丸い物体が取り囲んできた。
「こいつら……」
その物体……ラタトスク・ボールは細い光線をグリフォンに浴びせてきた。グリフォンの装甲に当たると焦げ臭い煙が立ち上がる。
「一度に複数の物体を操るか…やるじゃねえか!」
グールヴェイグのハッキングシステムであるラタトスクをネオフラカンシステムに組み込み、レーザー光線を発するボールを同時に操る。しかしアーレスも負けていない。囲まれたところを突破し、ボールに光線を次々と浴びせて破壊した。グリフォンのケラウノス光線は広範囲に攻撃できるので、小さい敵が多く出たときでも有効なのだ。
「相手が悪かったな」
捨て台詞を吐いて再びニーズホッグに対峙する。しかし光線を凍らせる敵をどうやって倒したものか……。
そこにスレイプニルが1機近づいてきた。トールだ。
《アーレス殿、無事か!》
《そちらはどうだ!?》
10数以上のスレイプニルが、トール機を含め7機に減っている。開戦直後に瞬く間に撃墜されたのだ。
《やっかいな相手ですなあ》
《そうですな》
アーレスはしれっと答えたが、内心焦り始めている。虎の子のケラウノス光線が防がれてしまうのではかなり不利だ。
「仕方ねえな……トール殿!」
アーレスが叫んだ。
《部下の皆さんをこの空域から少し離してくれ。ちと危険な攻撃をしたいんでな》
アーレスがコックピットのとあるボタンを押す。すると、グリフォンが光り始め、さらに次の瞬間、放たれた光線が形状を変え、周辺の空域を囲んだ。まるで光線状の多角形立方体の中に閉じ込められたようだ。
《何だこれは!?》
冷静なヨルムンガンドが驚いている。それに応答するように、アーレスが無線で言った。
《お前らを倒すための最終兵器さ。ちなみに造ったのはお前らがよく知っている機械オタクだ》
アーレスが不敵に笑った。
《はっは、俺にかかればこんなものさ》
とはいえ、内心冷や汗ものだった。最後の1発がアスガルドに着弾していれば大惨事だっただろう。
さて、残る敵は4機となった。やつらを撃墜すれば任務完了だ。
と思ったが予想が外れた。敵機の回りに小さな球体が浮いているのが見えたのだ。
「またろくでもないものを作りやがったな…」
ソールはヴクブ・カメーの顔を思い浮かべた。強力な武器というより、戦闘機をサポートするようなものだろうと察しがつく。
《おーい、やっと追いついたぞ》
緊迫したこの場に、場違いを絵に描いたような豪快な声が聞こえた。
《トール殿!》
《スレイプニルの一隊を連れてきた。君たちだけに任せるわけにはいかないからな》
トールの口調は脳天気だが、彼らの何人かはここで死ぬだろう。なるべく被害を少なくして戦うしかない。
《ではいくぜ!》
アーレスがグリフォンからケラウノス光線を発射した。それが最終決戦の開戦の合図となった。
敵味方が入り乱れる中、おおよその対戦相手が決まる。グリフォン対ニーズホッグ、ペガサス対スコルとハティ、フェニックス対フレスヴェルグである。アスガルド空軍のスレイプニル隊はグリフォンに付いた。
グリフォンは再びケラウノス光線を発射する。これまで激戦をくぐり抜けてきた武器だ。しかし、ニーズホッグは口から吐くブリザードブレスで光線を凍らせた。
「はあ!?」
アーレスは目を疑った。実弾のような物理的なものを凍らせて無力化するのは分かる。しかし、今目の前では光線が凍り付いた。ありえない。
そんなアーレスをよそに、ニーズホッグはブリザードブレスを発射し続ける。何とかかわしていると無数の丸い物体が取り囲んできた。
「こいつら……」
その物体……ラタトスク・ボールは細い光線をグリフォンに浴びせてきた。グリフォンの装甲に当たると焦げ臭い煙が立ち上がる。
「一度に複数の物体を操るか…やるじゃねえか!」
グールヴェイグのハッキングシステムであるラタトスクをネオフラカンシステムに組み込み、レーザー光線を発するボールを同時に操る。しかしアーレスも負けていない。囲まれたところを突破し、ボールに光線を次々と浴びせて破壊した。グリフォンのケラウノス光線は広範囲に攻撃できるので、小さい敵が多く出たときでも有効なのだ。
「相手が悪かったな」
捨て台詞を吐いて再びニーズホッグに対峙する。しかし光線を凍らせる敵をどうやって倒したものか……。
そこにスレイプニルが1機近づいてきた。トールだ。
《アーレス殿、無事か!》
《そちらはどうだ!?》
10数以上のスレイプニルが、トール機を含め7機に減っている。開戦直後に瞬く間に撃墜されたのだ。
《やっかいな相手ですなあ》
《そうですな》
アーレスはしれっと答えたが、内心焦り始めている。虎の子のケラウノス光線が防がれてしまうのではかなり不利だ。
「仕方ねえな……トール殿!」
アーレスが叫んだ。
《部下の皆さんをこの空域から少し離してくれ。ちと危険な攻撃をしたいんでな》
アーレスがコックピットのとあるボタンを押す。すると、グリフォンが光り始め、さらに次の瞬間、放たれた光線が形状を変え、周辺の空域を囲んだ。まるで光線状の多角形立方体の中に閉じ込められたようだ。
《何だこれは!?》
冷静なヨルムンガンドが驚いている。それに応答するように、アーレスが無線で言った。
《お前らを倒すための最終兵器さ。ちなみに造ったのはお前らがよく知っている機械オタクだ》
アーレスが不敵に笑った。