カラオケに夢中の5人。
飲み物がなくなったと亜香里と瑞紀は龍弥に訴えるが、スマホを持っていない体になっているため、下野に頼んで、注文画面を開いてもらった。
「ねえねえ、聞いた?今さ、ポルノ写真流出する詐欺ってやつ。あれさ、YouTubeとかつぶやきのやつだったかな。彼氏だと思っていた人が実は詐欺師で、めっちゃ裸とか写真撮るなって思ってたら、その写真勝手にネットに公開してたって。確かYouTuberがいてさ、女子と自分の顔にモザイクかけて平気な顔で載せてるんだよね。気持ち悪くない?でさ、私、さっきの宮坂さんいるじゃん、YouTuberのミヤッサって人と似てるんじゃないかと思って、顔はモザイクしているけど、声は変えてないからさ、怪しいなぁって仙台出身ってなっているし…、どう思う?」
亜香里がスマホをスワイプして、女子2人に見せる。
「まさか。他人の空似ってやつじゃないの?そんなことする人がこういうところ来る?」
「めっちゃ怪しいね。てか、その詐欺する人って合コンに出没するって話だよ。怖くない?てか、宮坂さんはどこ行ったわけ?」
「若い子はすぐそうやって、変な噂立てるの好きだよね。宮坂くん疑っちゃうわけ?もうフットサルできなくなるじゃん」
下野はアプリを開いてようやくドリンクを注文をした。
「ねぇ、龍弥くんは何飲むの? あれ、龍弥くんどこいった?」
「え、龍弥くんなら、さっき、血相変えて、部屋出て行きましたけど……」
優奈は、まだ残っていた梅昆布茶をチビチビ飲んでいた。
「え?!なんで、龍弥くんいないの?メンズ、下野しかいないじゃん!」
亜香里はとても残念そうに言う。瑞紀は亜香里よりもしゅんと寂しそうだった。
「って、おい!呼び捨てやめて。大丈夫だよ、すぐ戻ってくるさ。多分ね」
下野はスマホでドリンクを注文確定ボタンを押した。
本当か嘘か、亜香里の詐欺師事件が変に気になった。
宮坂が犯人じゃないことを祈りたい。
龍弥は、菜穂が宮坂と一緒にいて、何か事件に巻き込まれると思うと、申し訳無い気持ちでいっぱいになった。
宮坂をフットサルクラブのメンバーに誘ったのは龍弥だったからだ。
息を荒くして、2人の後を追いかける。ほんの数十分前の話でまだ遠くには行ってないはずだった。
***
手と足が同時に出ている行進のようにぎこちなさ満載に菜穂は歩いていた。
「菜穂ちゃん、緊張しすぎだよ。可愛いな」
(宮坂さん、私のどこが良くて付き合うってなったのかな。初対面からすっと会話してたけど……)
「こうしたら、落ち着いて歩ける?」
左手をぎゅっと手を繋いで、肘を曲げた。菜穂は慣れておらず、さっと離した。
「ちょ、ちょっとまだ無理です。隣歩くので勘弁してください」
「どこの江戸っ子よ。面白いんだけど」
宮坂は、笑いが止まらずで、菜穂は恥ずかしくなった。
「んじゃ、こっちそのまま着いてきてね」
手を繋ぐことはなく、宮坂は商店街の路地に入っていき、いきなりピンク色の建物にどんどん進んでいく。
「み、宮坂さん? どこいくの?」
「どこ行くって彼氏彼女になったら行く場所って決まってるでしょうって、おいで」
手招きする宮坂。そういうのに慣れていない菜穂。足が後退する。
宮坂は、菜穂の背中に回って後ろから軽くトンと押そうとする。
「大丈夫だって。ほらほら」
「い、いや、でも、無理。会ってそんな経ってないですし……」
「ここから、新しい菜穂ちゃんになっていくんだよ」
「え、新しい私? 意味わからない」
建物ので出入り口付近で、誰かが立ち塞がった。
「ちょっと、宮坂さん!それは反則じゃないですか。菜穂、嫌がってるでしょう」
宮坂の前に走ってきて息の上がる龍弥が来た。
菜穂は、手足も震えて、服の袖で、顔を隠している。
「え、だって。今、俺たち付き合ってるんだよ。君には関係ないから。ほら、菜穂ちゃん、おいで」
狐のような目の細い宮坂、今までにない強気の発言だった。
「ごめんなさい。私、行きません」
「はぁ?! ここまで来て、来ないなんて彼女じゃないよ?いいから、ほら」
無理やり連れて行こうとする間に龍弥はパシっと宮坂の手を払った。
「いやだって言ってるでしょう」
龍弥の後ろにつく菜穂は、宮坂の顔をのぞいた。
「あぁ、そう。チッ。もういいよ」
近くに落ちていた石ころを蹴飛ばして、宮坂は懲りたのか立ち去った。
龍弥を盾にして、菜穂は隠れていた。
「宮坂さん、あんな人だと思わなかったなぁ……。ん?」
龍弥の後ろシャツを力強く掴む菜穂。
手がふるえていた。
「……」
シャツの菜穂の手をそっと外そうとする龍弥。ハッと気づく菜穂は、自分からそっと外す。
「あ、ありがとう。今回は助かった。今回は」
「ふーん」
「お礼言ってるんじゃない。なんで受け止めてくれないのよ」
「べー」
あっかんべーと舌をペロっと出す龍弥。
さっきのは違う人だったじゃないかと疑う。
腹が立つ菜穂は拳を振り上げて追いかけるが、足が早くて無理だった。
龍弥はそんなおふざけが大好きのようだった。
飲み物がなくなったと亜香里と瑞紀は龍弥に訴えるが、スマホを持っていない体になっているため、下野に頼んで、注文画面を開いてもらった。
「ねえねえ、聞いた?今さ、ポルノ写真流出する詐欺ってやつ。あれさ、YouTubeとかつぶやきのやつだったかな。彼氏だと思っていた人が実は詐欺師で、めっちゃ裸とか写真撮るなって思ってたら、その写真勝手にネットに公開してたって。確かYouTuberがいてさ、女子と自分の顔にモザイクかけて平気な顔で載せてるんだよね。気持ち悪くない?でさ、私、さっきの宮坂さんいるじゃん、YouTuberのミヤッサって人と似てるんじゃないかと思って、顔はモザイクしているけど、声は変えてないからさ、怪しいなぁって仙台出身ってなっているし…、どう思う?」
亜香里がスマホをスワイプして、女子2人に見せる。
「まさか。他人の空似ってやつじゃないの?そんなことする人がこういうところ来る?」
「めっちゃ怪しいね。てか、その詐欺する人って合コンに出没するって話だよ。怖くない?てか、宮坂さんはどこ行ったわけ?」
「若い子はすぐそうやって、変な噂立てるの好きだよね。宮坂くん疑っちゃうわけ?もうフットサルできなくなるじゃん」
下野はアプリを開いてようやくドリンクを注文をした。
「ねぇ、龍弥くんは何飲むの? あれ、龍弥くんどこいった?」
「え、龍弥くんなら、さっき、血相変えて、部屋出て行きましたけど……」
優奈は、まだ残っていた梅昆布茶をチビチビ飲んでいた。
「え?!なんで、龍弥くんいないの?メンズ、下野しかいないじゃん!」
亜香里はとても残念そうに言う。瑞紀は亜香里よりもしゅんと寂しそうだった。
「って、おい!呼び捨てやめて。大丈夫だよ、すぐ戻ってくるさ。多分ね」
下野はスマホでドリンクを注文確定ボタンを押した。
本当か嘘か、亜香里の詐欺師事件が変に気になった。
宮坂が犯人じゃないことを祈りたい。
龍弥は、菜穂が宮坂と一緒にいて、何か事件に巻き込まれると思うと、申し訳無い気持ちでいっぱいになった。
宮坂をフットサルクラブのメンバーに誘ったのは龍弥だったからだ。
息を荒くして、2人の後を追いかける。ほんの数十分前の話でまだ遠くには行ってないはずだった。
***
手と足が同時に出ている行進のようにぎこちなさ満載に菜穂は歩いていた。
「菜穂ちゃん、緊張しすぎだよ。可愛いな」
(宮坂さん、私のどこが良くて付き合うってなったのかな。初対面からすっと会話してたけど……)
「こうしたら、落ち着いて歩ける?」
左手をぎゅっと手を繋いで、肘を曲げた。菜穂は慣れておらず、さっと離した。
「ちょ、ちょっとまだ無理です。隣歩くので勘弁してください」
「どこの江戸っ子よ。面白いんだけど」
宮坂は、笑いが止まらずで、菜穂は恥ずかしくなった。
「んじゃ、こっちそのまま着いてきてね」
手を繋ぐことはなく、宮坂は商店街の路地に入っていき、いきなりピンク色の建物にどんどん進んでいく。
「み、宮坂さん? どこいくの?」
「どこ行くって彼氏彼女になったら行く場所って決まってるでしょうって、おいで」
手招きする宮坂。そういうのに慣れていない菜穂。足が後退する。
宮坂は、菜穂の背中に回って後ろから軽くトンと押そうとする。
「大丈夫だって。ほらほら」
「い、いや、でも、無理。会ってそんな経ってないですし……」
「ここから、新しい菜穂ちゃんになっていくんだよ」
「え、新しい私? 意味わからない」
建物ので出入り口付近で、誰かが立ち塞がった。
「ちょっと、宮坂さん!それは反則じゃないですか。菜穂、嫌がってるでしょう」
宮坂の前に走ってきて息の上がる龍弥が来た。
菜穂は、手足も震えて、服の袖で、顔を隠している。
「え、だって。今、俺たち付き合ってるんだよ。君には関係ないから。ほら、菜穂ちゃん、おいで」
狐のような目の細い宮坂、今までにない強気の発言だった。
「ごめんなさい。私、行きません」
「はぁ?! ここまで来て、来ないなんて彼女じゃないよ?いいから、ほら」
無理やり連れて行こうとする間に龍弥はパシっと宮坂の手を払った。
「いやだって言ってるでしょう」
龍弥の後ろにつく菜穂は、宮坂の顔をのぞいた。
「あぁ、そう。チッ。もういいよ」
近くに落ちていた石ころを蹴飛ばして、宮坂は懲りたのか立ち去った。
龍弥を盾にして、菜穂は隠れていた。
「宮坂さん、あんな人だと思わなかったなぁ……。ん?」
龍弥の後ろシャツを力強く掴む菜穂。
手がふるえていた。
「……」
シャツの菜穂の手をそっと外そうとする龍弥。ハッと気づく菜穂は、自分からそっと外す。
「あ、ありがとう。今回は助かった。今回は」
「ふーん」
「お礼言ってるんじゃない。なんで受け止めてくれないのよ」
「べー」
あっかんべーと舌をペロっと出す龍弥。
さっきのは違う人だったじゃないかと疑う。
腹が立つ菜穂は拳を振り上げて追いかけるが、足が早くて無理だった。
龍弥はそんなおふざけが大好きのようだった。