〝暖かい〟
そう、漠然と感じてしまった。
そして、そのままジッと藤島くんを見ると。
「じゃあ、その男との記憶は、
先輩が、〝恋をなくした日〟なんっすね」
「私が恋をなくした日。ってこと?」
「そうです。でも、〝恋〟が、
全部苦しい記憶なんて、嫌じゃないですか?」
私の話しを、
まるで物語のように話す藤島くん。
「...............、うん。まぁ、嫌っちゃいや、」
この先、2度と恋できないのも嫌だしね。
藤島くんの問いに、正直に答えると。
「先輩は、ちゃんと恋出来ますよ」
私の目を真っ直ぐ見ていう藤島くん。
その瞳は、
ウソなんて感じなくって。
でも、なんでそこまで言い切れるかは不思議。