あぁ、梨華なのか。また、かなしそうな表情をしている、何が正解だったのだろう。貴女は俺が貴女を梨華だと気づかなかったらかなしそうな表情をするのに気づいてしまったら自ら離れようとしている。どっちを選んでも不正解じゃないか

明るく、慣れたような口調で淡々と梨華は梨華について教えてくれた。

「そっか、バレちゃったか笑
私ね病気なんだ、治るかわからない病気。私が引っ越した 理由は病気のせい、ずっと病院で今まで過ごしてたんだ。
半年後にね、手術をするの。失敗したら死んじゃう手術。
最期はさ、思い出に浸りたいじゃん?だから無理言ってこ っちに来たの。そしたら偶然普人くんがいたんだ。
すっごく嬉しかった。もうあえないと思ってたから。」

いつから病気だったんだよ、どうして俺に相談することも頼ることもしてくれなかったんだよ。頼ってくれなかった梨華にも腹が立った。だがそれ以上に何も出来ない、出来なかった自分が憎くて仕方なかった。