目が覚めたら涙が止まらなかった。11時、日付もまわってない時間だった。

夢に出てきた少女は間違いなく俺の初恋相手の梨華だった。自分の気持ちを告白できないまま引っ越してしまった梨華との約束を夢で見た。嬉しかったし懐かしかった、けどそれ以上に恐怖を覚えた。夢の中でも梨華だということは認識できた。だけど認識できただけで梨華の姿はもう思い出せない。

大好きな人の姿を忘れていくのがたまらなく辛い。どんな人だったかは覚えている、だが時が過ぎていくと顔を、姿を思い出せなくなっている。