そこは公園だった、公園の中には、僕と僕を
いじめてる3人の男の子がいた。
「や、やめてよ」
「うるさいな、うざいんだよ!」
大柄な体型をした男の子は力いっぱいに僕を蹴っていた。そしてそいつの取り巻き達は、そんな僕の姿に笑っていた。
(だれか助けて)
こんなことを思っていると、突然1人の女の子が現れた。
「あんた達何やってるの!」
その子は出て来て開口一番にこう言った。
「何だテメェ?偉そうだな、俺たちの勝手だろ?」
「可哀想でしょ、その子が。まだ続けるならお巡りさん呼ぶわよ!」
その子は数人の男の子を相手に怯むことなく、そう発言した。
「わかったから、誰にも言うなよ!」
流石にまずいと思ったのか、僕をいじめていた奴らは消えて行った。
「よかった〜」
その子は安心したのかほっと一息ついたあと、僕に近づいた。
「君大丈夫?怪我してるみたいだけど。」
「大丈夫血は出てないから、それより、ありがとう助けてくれて。」
「良いわよこれくらい。そんなことより、あなたも少しぐらい言い返したらどう?」
「言い返したけど、あいつら全然やめてくれないんだもん」
この時の僕は人に物事をはっきりと言う力は無く、よくいじめられていた。
「やめてくれないってことはそれだけ、あなたがハッキリ言ってないってことじゃない」
その子の表情が少し強張った。
「私のお父さんがよく言ってるの、言いたいことをはっきり言わないと、いろんな人に嫌われちゃっていじめられたりしちゃうよって」 
「無理だよ僕には」
(どんなに頑張ったって無理だよ)
そんな考えが頭によぎっていると、
「もし君が言いたいことを言えなくていじめられちゃうなら、それまで私が守ってあげる!」
「え…?」
突然僕の耳にこんな言葉が届いた。
「けどもし私が言いたいことが言えずにいたら、その時は君が私に言って、言いたいことはしっかり言うんだよって」
夕日に照らされた顔を真っ直ぐにして、
「約束!」と言ってくれた。
見ず知らずの僕に対して、ここまで言って、守ってくれる。
あの子の言葉はなぜか僕の心に沁み、自然とうなずいていた。
そんな僕を見て、夕日に照らされているあの子の顔が笑顔になり、その表情がとても綺麗に見えた。