夕暮れ時に笑うキミを僕は永遠に忘れない

あの日から私は紬くんと遊ぶようになった。
私は同年代で一緒に遊ぶ友達があまりいなかったから、紬くんとの日々はとても新鮮で楽しい時間だった、一生続いてほしい時間だった。
遊んでいる内に、私たちは「つーくん」と「ゆーちゃん」と呼び合うようになった。
ある日私は紬くんと遊んだ後迎えに来てくれたお父さんと一緒に帰宅していた。
私が紬くんの話ばっかりしているのに、お父さんは、「奏にも良いお友達が出来たんだね」と笑って聞いていてくれた。
その日の夜、お父さんがあるものを私にくれた。
「これを使って紬くんと写真でも撮ってみなさい」
貰ったのは淡い桃色が特徴的なチェキだった。
たまたま見つけて買ってきてくれたらしい。
「ありがとう!お父さん」
私は次の日嬉しくて公園に急いで向かった。
「つーくん見てみて!お父さんから貰ったの!」
手に持ってるチェキを見せると紬くんは、「わぁ!すごい!いいお父さんだね」と、笑顔で言ってくれた。
私はお父さんのことを褒めてもらえたから、嬉しくて「うん!」と言って喜んだ。
「試しに撮ってみようよ!」
そう言って私は紬くんと半ば強引に一緒に写真を撮った。
プリントされた写真に映るのは、笑顔な私と、少し戸惑いを隠せていない紬くんだった。
その写真を見て紬くんは恥ずかしそうにしていたが、少しだけ嬉しそうでもあった。
そんな紬くんを見て私は、手に持ってる1枚の写真を渡した。