夕暮れ時に笑うキミを僕は永遠に忘れない

昔の私は、今の私とは全然違った。
気分屋で、わがままで、思ったことをすぐ口に出してしまう。
そんな私をお父さんはいつも、
「すぐ気が変わるところや、わがままなところは直してほしいけど、思ったことをしっかり口にできるのは奏の良いところだよ。正直に伝えられないと人からいじめられたり、離れていってしまうからね」と言っていた。
優しくていつも私を見てくれる…
そんなお父さんが、私は大好きだった。

ある日公園でいじめられている男の子がいた。
私は居ても立っても居られなくて咄嗟に声を上げた。
「あんたたち何やってるの!」
目の前のいじめっ子たちは驚いて様子で何か言ってきたけど、お巡りさんを呼ぶと言ったら、逃げていった。
いじめっ子たちはいなくなってその場に残ったのは私といじめられてた男の子だけだった。
「よかった〜」と思わず口に出てしまうくらいに、ホッとしてしまった。
男の子はその場に座り込んで動こうとしなかった。
よく見ると殴られたのか、少し怪我をしているようだった。
「君大丈夫?怪我してるみたいだけど」