「映画結構面白かったな」
映画を見終わった俺たちは予定通りカフェで感想を言い合うことにした。
「あら結構気に入ってくれた?」
眼の前には普段と違って上機嫌な彼女がいる。
多分好きな作品を見た後だからだろうか、のほほんとした空気が溢れ出でいた。
(なんか子どもみたいだな)
「なんか子どもみたいって今思った?」
「おい、思考を盗聴するな」
何でわかるんだ、怖いな。頭にアルミホイルでも巻こうかな。
これ以上奏に聞かれる前に俺は話題を逸らした。
「そいえば、映画の最後のシーンも良かったけど、中盤で主人公とヒロインの感情がぶつかり合うとこが良かったな」
「あからさまに話題を逸らしたわね。けど確かに私もそこのシーン好きよ」
あのシーンはホントに良かった、あんなに自分の気持ちを包み隠さずに言うのは、今の自分にはできない。だからこそ、少し懐かしく思ってしまった。
「ああやって本音で言い合えるのは、信頼してる証拠、だから私は少し憧れてしまうわね」
そう言った奏の表情は、さっきの雰囲気とは打って変わって悲しいものに見えた。
「現実もこんぐらい、本音を隠さずに言えたら良いのにな」
「そうね…」
現実と言うのは残酷だ、本音や事実を突きつければ人から嫌われ、真面目にしている人ほど、損をしてしまうものだ。
「さて、そろそろカフェを出ましょう。あんまり長居するのもあれだし」
「そうだな」
俺達は会計を済ませ、店を出でいった。
ガランコロン
「ん?あいつは…」
映画を見終わった俺たちは予定通りカフェで感想を言い合うことにした。
「あら結構気に入ってくれた?」
眼の前には普段と違って上機嫌な彼女がいる。
多分好きな作品を見た後だからだろうか、のほほんとした空気が溢れ出でいた。
(なんか子どもみたいだな)
「なんか子どもみたいって今思った?」
「おい、思考を盗聴するな」
何でわかるんだ、怖いな。頭にアルミホイルでも巻こうかな。
これ以上奏に聞かれる前に俺は話題を逸らした。
「そいえば、映画の最後のシーンも良かったけど、中盤で主人公とヒロインの感情がぶつかり合うとこが良かったな」
「あからさまに話題を逸らしたわね。けど確かに私もそこのシーン好きよ」
あのシーンはホントに良かった、あんなに自分の気持ちを包み隠さずに言うのは、今の自分にはできない。だからこそ、少し懐かしく思ってしまった。
「ああやって本音で言い合えるのは、信頼してる証拠、だから私は少し憧れてしまうわね」
そう言った奏の表情は、さっきの雰囲気とは打って変わって悲しいものに見えた。
「現実もこんぐらい、本音を隠さずに言えたら良いのにな」
「そうね…」
現実と言うのは残酷だ、本音や事実を突きつければ人から嫌われ、真面目にしている人ほど、損をしてしまうものだ。
「さて、そろそろカフェを出ましょう。あんまり長居するのもあれだし」
「そうだな」
俺達は会計を済ませ、店を出でいった。
ガランコロン
「ん?あいつは…」