え……二週間後、早瀬は死ぬのか?

 ウソだろ……?

「そう。だから私……死ぬ前に、朔月くんに会いたかった。私がここを辞めたのも……病気が発覚して、ずっと入院してたからなんだ」

「……そうか。そうだったのか」

 だから早瀬は、ある日突然辞めたのか……。入院、するために……。

「私……朔月くんのことが、ずっと好きだった」

「……え?」

 早瀬は俺の腕を引っ張ると、「私、朔月くんのことが好きだったんだ。……ずっとずっと、好きだった」と俺に告白してくれた。

「早瀬……」

 俺も、早瀬のことが好きだった。本当は、今でもずっと好きだ。
 早瀬が突然辞めてから、俺の心は空っぽになったようにスカスカになった。
 早瀬の笑顔が何より、俺にとって一番頑張れる力になっていたから。

 早瀬がいてくれるだけで、俺の心は明るくなって、温かい気持ちにもなった。
 だから早瀬が俺のことを好きだと聞いて、驚いた反面、早瀬が死ぬかもしれないという現実を受け入れられないままでいる。

「早瀬……俺も、早瀬のことが好きだった」

「え……本当に?」

「ああ。……早瀬がいてくれるだけで、俺の心は休まる気がしてた。早瀬の笑顔を見てると、俺は生きてて良かったと、そう思ってた」

 でも今は……この現実を受け入れられない。