「じゃあ、おやすみ」
彼によって閉められてしまったドアを見ながら、ため息を吐いた。
今日は結婚初夜のはずなのに、なぜか別々であの日はキスもして体も重ねたのに今日は触れられてない。触れたっていっても手を繋いだくらい。本当にあの時の好きって言葉も偽りだったんじゃないかと思えてくる。
「今日は寝よう。寝て明日誠さんと話をしてみよう」
そう思って私は布団を被って目を瞑った。だが、眠気が襲ってこない。
やっぱり眠れなくて水でも飲もうと起きあがってリビングへと向かう。今いる寝室の隣、ドアを開ければリビングなので向かうってほどではない。リビングは当たり前だが、真っ暗だったので電気を付けてから水をグラスに注ぎ飲む。
「あれ、奏和ちゃん?」
「誠さん起きてたんですね」
「眠れなくてね」
「そう、なんですね。私もです。あの、誠さん」
聞くなら今だと思い誠さんのパジャマの裾を掴み呼び止める。
「……っ……」
誠さんの背が高いから上目遣いになってしまうけど、ここはちゃんと話をしないと。
「誠さんは、私との縁談は嫌だったのですよね?」
「……っ、ち違う……っ」
「なら、なんで。私とは一度も会ってくださらなかったのですか? 私があの日、あんなメモを置いていったから怒ってるんですか?」
「怒ってない、怒ってないが……知らなかったんだ。俺は、奏和ちゃんが縁談相手だと知らなかった。いや、知ろうとしなかった。本当に申し訳ない」
だけど、私だって相手の名前を聞いたり相手のことを知ろうとしなかったんだから同類だ。
「都合のいいことだとは思っている。だけど、俺は奏和ちゃんのことを一生大事にしたいと思う」
「誠さん、あの私」
「今は返事は求めない。俺を嫌いだと言うならば離婚をしよう。俺にチャンスを与えてくれないか? 全力で愛するから」
そう言った誠さんは、私の手を取り手の甲へと口付けをした。
「……っ! 誠さん!? こ、こんなことっ」
「返事は求めないと言ったが、初夜はするつもりだ」
えぇ……!?さっきはおやすみって言って別れたのに!?
「奏和ちゃん」
「は、はい」
「まずは、ベッド行こっか」
「えっ? あ、誠さんっ!?」
私が彼の名前を呼ぶと、ヒョイッと持ち上げられ横抱きにされてさっきまで一人で寝ていたベッドに降ろされる。
「……っ……」
誠さんは私に跨ると、軽く唇を重ねた。
「んっ……ま、ことさんっ……」
苦しくて彼の胸をトントンと叩き、やめてほしいと頼んだのにそれは聞いてもらえなくてそれどころかもっと深くキスをされた。
「可愛い、奏和ちゃん」
「……っ……」
「口、開けてくれる?」
素直に口を開けて「こう……?」と口を開けながら言えば誠さんに微笑まれ、すぐに口の中に舌が入ってきた。何が起きたのか分からなかったが、誠さんの舌が自分の舌に絡められてそれがとても気持ち良い。キスだけでこんなに気持ち良くなったのは初めてだ。
「可愛い顔、そんなに気持ちかった?」
「……っ……」
彼が離れて第一声がこれ。その一言で私の頭は沸騰したように熱くなる。絶対、顔赤い。
「キスだけでこんな真っ赤になってたらこれから先は、大変だね?」
「へっ……?」
「今日のところは、このくらいにしようか。これから時間はたっぷりあるから。覚悟してね」
そう誠さんは言うと微笑みながら私に口付けた。
終
彼によって閉められてしまったドアを見ながら、ため息を吐いた。
今日は結婚初夜のはずなのに、なぜか別々であの日はキスもして体も重ねたのに今日は触れられてない。触れたっていっても手を繋いだくらい。本当にあの時の好きって言葉も偽りだったんじゃないかと思えてくる。
「今日は寝よう。寝て明日誠さんと話をしてみよう」
そう思って私は布団を被って目を瞑った。だが、眠気が襲ってこない。
やっぱり眠れなくて水でも飲もうと起きあがってリビングへと向かう。今いる寝室の隣、ドアを開ければリビングなので向かうってほどではない。リビングは当たり前だが、真っ暗だったので電気を付けてから水をグラスに注ぎ飲む。
「あれ、奏和ちゃん?」
「誠さん起きてたんですね」
「眠れなくてね」
「そう、なんですね。私もです。あの、誠さん」
聞くなら今だと思い誠さんのパジャマの裾を掴み呼び止める。
「……っ……」
誠さんの背が高いから上目遣いになってしまうけど、ここはちゃんと話をしないと。
「誠さんは、私との縁談は嫌だったのですよね?」
「……っ、ち違う……っ」
「なら、なんで。私とは一度も会ってくださらなかったのですか? 私があの日、あんなメモを置いていったから怒ってるんですか?」
「怒ってない、怒ってないが……知らなかったんだ。俺は、奏和ちゃんが縁談相手だと知らなかった。いや、知ろうとしなかった。本当に申し訳ない」
だけど、私だって相手の名前を聞いたり相手のことを知ろうとしなかったんだから同類だ。
「都合のいいことだとは思っている。だけど、俺は奏和ちゃんのことを一生大事にしたいと思う」
「誠さん、あの私」
「今は返事は求めない。俺を嫌いだと言うならば離婚をしよう。俺にチャンスを与えてくれないか? 全力で愛するから」
そう言った誠さんは、私の手を取り手の甲へと口付けをした。
「……っ! 誠さん!? こ、こんなことっ」
「返事は求めないと言ったが、初夜はするつもりだ」
えぇ……!?さっきはおやすみって言って別れたのに!?
「奏和ちゃん」
「は、はい」
「まずは、ベッド行こっか」
「えっ? あ、誠さんっ!?」
私が彼の名前を呼ぶと、ヒョイッと持ち上げられ横抱きにされてさっきまで一人で寝ていたベッドに降ろされる。
「……っ……」
誠さんは私に跨ると、軽く唇を重ねた。
「んっ……ま、ことさんっ……」
苦しくて彼の胸をトントンと叩き、やめてほしいと頼んだのにそれは聞いてもらえなくてそれどころかもっと深くキスをされた。
「可愛い、奏和ちゃん」
「……っ……」
「口、開けてくれる?」
素直に口を開けて「こう……?」と口を開けながら言えば誠さんに微笑まれ、すぐに口の中に舌が入ってきた。何が起きたのか分からなかったが、誠さんの舌が自分の舌に絡められてそれがとても気持ち良い。キスだけでこんなに気持ち良くなったのは初めてだ。
「可愛い顔、そんなに気持ちかった?」
「……っ……」
彼が離れて第一声がこれ。その一言で私の頭は沸騰したように熱くなる。絶対、顔赤い。
「キスだけでこんな真っ赤になってたらこれから先は、大変だね?」
「へっ……?」
「今日のところは、このくらいにしようか。これから時間はたっぷりあるから。覚悟してね」
そう誠さんは言うと微笑みながら私に口付けた。
終